異生神妖魔学園
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先生、子供の話はほどほどに!
2年教室に戻った紺子と龍華。ふとディーゴを見ると、なぜか全身絵の具まみれになっていた。
龍華「紺子はまだしもディーゴはどうした!?」
ディーゴ「見てわかんねぇか?辰美にやられたんだよ」
辰美「4時間目終わって、ディーゴさんが紺子様に虹にしてくれと言ってましたので」
ディーゴ「車掌の服いくらでもあるからってこんなにしやがって魚野郎!結構高かったんだぞ!」
辰美「はい、知りませ~ん!」
ディーゴ「イデデデデデ!!ギブギブギブ!関節外れるゥゥゥゥゥ!!」
関節技をかけていると、ちょうどよいタイミングでみのりが教室に入ってきた。
みのり「紺子ちゃんが虹色!?あと辰美ちゃん、開始前からディーゴ君の関節外すのやめて!?」
ディーゴ「あ゛~、先生助けて!こいつとんでもない怪力なんですけど~!」
紺子「やめろよ辰美!お前は加減してるつもりでもホントに外れたらどうするつもりなんだよ!」
辰美「あっ、ごめんなさい」
すぐ素直になり、関節技を解いた。ディーゴはすぐさま辰美から離れる。
仁美「大丈夫~?」
ディーゴ「噛んできたお前が言えるセリフじゃねぇだろ…」
司「言っとくが、俺様も散々だったぜ?落語の教科書持ってきて、龍華をゴリラ女と呼び、挙げ句には呼び出し食らっちまった。マジで不憫すぎるわ」
仁美「龍哉の方がひどすぎたなぁ。宇佐間先生のあそこ蹴ったんだもん」
みのり「龍哉君先生の股間蹴ったの!?」
一生「そうなんですよ。あの先生いつも体操前にズボン破ってましたもん。龍哉が止めてくれましたけどあれは……」
みのり「で…その龍哉君はどこに?」
ライエル「生徒指導室です。校長先生から聞きました」
みのり「ええ………」
ようやく授業が始まった。まずは小テストの返却。紺子は真っ先に点数を見る。
紺子「赤点じゃなくてよかったけど、これって……」
龍華「紺子、結果どうだったよ?」
紺子「どうだったも何も50点以下だったよ。私も数学苦手だし」
龍華「別に50点以下でもいいじゃねぇか。赤点じゃないんだろ?俺お前より数学苦手だし。ていうか理系全般無理だわ」
龍華は笑いながら言った。それとは別に紺子は龍華の結果が気になっている。
紺子「じゃあ聞くけど、お前何点?」
龍華「……………21点」
聞いただけで笑ってしまった紺子であった。
ディーゴ(…………俺も紺子とほぼ同じじゃん)
龍哉を除き、小テストが全員分返却された。無論、1位は冷火、最下位は龍華である。理科も苦手なので致し方なし。
早速本題に入っていく。復習をある程度行った後、いつも通り授業が進む。
みのり「私は文字以外にもこんなのにも置き換えますけどね。特に幼女とかショタとかぁ……」
冷火(なぜそこから幼女とショタが出てくる!?)
みのりの話は続き、子供のかわいさや素晴らしさの話ばかりでもはや授業から脱線してしまっている。
さらには自分は美人である、結婚したい、そして子供もガンガン産みたいとも言い出し、完全に授業を放棄していた。
紺子「せ、先生…授業に関係ない話はもうこのくらいに……」
龍華「変な話続けてもう30分くらい経つぞ?みんな目ェ死んでるじゃねぇか」
みのり「別に構いませんわ。特に幼女!素晴らしいではありませんか!」
紺子「私たちから見れば変態にしか見えねぇよ!私は紺子ちゃんって呼ばれるからいいけど冷火とかには冷火たんって……!」
冷火「こ、紺子さんまで!/////(だあぁぁぁ!!よけいなこと言いやがってあいつ!!恥ずかしいったらありゃしねぇよ!!)」
一刻も早く終わってほしい、そして逃げたい気分でいっぱいの冷火。そんな彼女を見たみのりは彼女の顔を見るなりにやけてしまった。
司「お、おい冷火……」
冷火「?」
司「先生の目線がお前に刺さってるんだが………」
冷火「え?」
冷火がみのりに目を向けようとするが、教卓のそばにみのりはいない。
もしやと呟き、恐る恐る横を向いてみた。
冷火「ひゃあ!!」
予想通り、みのりがいつの間にか隣にいた。
冷火「せ、先生…!(驚かしてんじゃねぇよ!私ちょっかいかけられるの嫌だってのに!泣きそうになるわ!)」
みのり「あ~、その反応超かわいい♡もっと見せてちょうだい♡」
この時、生徒たちはすでに気づいていたが、みのりだけは気づいていなかった。
みのりの背後にただならぬ殺意を持った女性が立っていることを。冷火を助けようとみのりを殺意のこもった目で睨んでいることを。
???「娘に手ェ出そうとしてるのはどこのどいつだァ……………?」ゴゴゴゴゴ
みのり「!!?」ゾクッ
ドスの効いた声にみのりもようやく背後の女性に気づき、恐る恐る振り向いてみる。
そこに立っていたのは長い黒髪と黒い瞳がを持つ美女。大和撫子とはこのことか、着物を着ているのでさらに美しく見える。
みのり「り、燐斗……先生………!?」
冷火「お母さん…!?」
みのり同様この学園に勤める教師で、冷火の母親でもある。彼女の名は『鬼灯燐斗』。家庭科担当の教師だった。
燐斗「よくまあうちの娘にちょっかいかけてくれましたねぇ………?生きて帰れると思ってんのか?あ゛ぁっ!?」
みのり「ヒィィッ!?ち、違います……!燐斗先生落ち着いてぇ…『生きて帰れると思ってんのか?』とか大げさぁ……!」
燐斗「質問に答えないならちょっと外に出てもらいましょうか」
みのり「あえ!?き、聞いてないですよそれ!」
燐斗「いいから来な」
みのり「…皆さん……これから自習」
連行されるみのり。自習と言われた紺子たちは複雑な気分のまま各自教科書の練習問題に取りかかることに。
仕置きをされているのか、途中みのりの絶叫が聞こえ、冷火以外全員鳥肌が立った。
冷火「お母さん………(いくら相手が先生でも殺したらマジで冗談じゃねぇぞ!?)」
全員みのりが戻ってくることを祈っていたが、チャイムが鳴っても戻ってくることはなかった。
心配に思った紺子と冷火が廊下に出てみると、教室のすぐそばで血を流して倒れているボロボロのみのりがいた。
紺子「………さすがに死んでんじゃね?これ」
みのり「生きてます。手加減してくれてたようです」
冷火(手加減してたらこんなボロボロにならねぇだろ!)
紺子「学園長も屋上から落とされてたし、真島先生大変だろうなぁ……」
ところ変わって保健室。紺子の言う通り龍華に屋上から落とされた辰蛇が治療を受けていた。
出血して倒れていたところを死纏さんが見つけ、運ばれたようだ。
真島「おい、おとなしくしろ!暴れると治るもんも治らねぇぞ!」
辰蛇「注射は嫌ーっ!!針刺されるくらいならあのまま死んだ方がよかったよー!!」
死纏さん「死んでたらとっくに輪廻転生に送ってたが、あんたが死んだら誰があんたの代わりを務めるんだ?」
辰蛇「にゃーっ!死纏さん、それだけはご勘弁を!まだパンツクンカクンカしてない子もいるのに…まだ書かなきゃならないポエムもいっぱいあるのにぃ~!」
真島「ベッドの上で土下座するほどとかホントは輸血する必要ないんじゃねぇのか?」
辰蛇「…………あ、お願いします」
無我夢中でベッドの上で起き上がっていた辰蛇は再び横になる。真島は半分呆れながら辰蛇の腕に針を刺す前に消毒液を塗る。
死纏さん「んじゃ、俺は警備に戻るぜ。あとはよろしく」
真島「おうよ」
辰蛇「アィッギャァァアアアアアアアアアアア痛ったぁぁぁあぁあぁあああぁああぁい!!!!!」
注射嫌いの辰蛇の悲鳴が保健室の外まで聞こえ、その悲鳴は紺子たちにも聞こえたという。
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