イベリス
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第十三話 学業もその一
第十三話 学業も
咲はこの時愛と一緒にバイト先の渋谷に向かっていた、丁度学校が終わってアルバイトに行く時に駅で会って同じ車両に乗ったのだ。
その中で隣に座っている咲を見てだ、愛は言った。
「いい感じね」
「いい感じっていうと」
「高校生って感じでね」
それでというのだ。
「いいわよ」
「そうなの」
「制服にナチュラルメイクでね」
「女子高生らしいの、今の私」
「ええ、メイク教えたかいがあったわ」
愛は笑ってこうも言った。
「似合ってるわよ」
「そうなの、有り難う」
咲は愛に笑顔で返した。
「じゃあこれからもね」
「メイクはナチュラルね」
「これでいくわ」
「ファッションもね」
愛は今度はこちらの話をした。
「かなりね」
「いいの」
「女子高生らしいし似合ってるし」
それでというのだ。
「凄くね」
「いいのね」
「ええ、スカートの長さもね」
「折ってるけれど」
「その折って短くしてるのもね」
ミニスカートに見せていることもというのだ。
「いいのよ」
「女子高生らしいの」
「凄くね、女子高生ってね」
愛はさらに言った。
「独特のよさがあるのよ」
「そうなの」
「初々しくてそれでいて半分大人で」
「それでいいの」
「そう、だからね」
「その良さをなのね」
「出してね」
そのうえでというのだ。
「三年間やっていってね」
「三年。長いわね」
三年と聞いてだ、愛は思わずこう言った。
「それって」
「長いわよ、けれどね」
「それでもなの」
「終わってみるとね」
そうなると、というのだ。
「あっという間よ」
「そうなの」
「一寸の光陰っていうけれど」
「まさにそんな感じで」
「思えばあっという間よ。中学の時もそうでしょ」
「三年。長い様でね」
それでもとだ、咲も答えた。
「今思うとね」
「あっという間だったでしょ」
「高校に入ってすぐなのに」
それでもというのだ。
「思い出よ」
「そうね、だからね」
「高校の三年もなの」
「あっという間よ、私そのことを実感してるわ」
愛自身がというのだ。
「今振り返るとね」
「あっという間で」
「ええ、もうね」
それこそというのだ。
「だから今の航行生活をね」
「楽しむことなのね」
「十分にね、私もそうしたしね」
「お姉ちゃんいつも楽しそうだったね」
高校の時はとだ、咲は愛に笑顔で話した。
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