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FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~

作者:山神
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脅威の侵略者

 
前書き
これはミスったかもしれません。相手が強すぎる上にやりたいことが単純すぎて、この章かなり短くなるかも・・・
まぁ、次以降のステップになる章なので、短くても問題はないのですが・・・ 

 
エルザside

「またあったわよ、みんな」
「こっちにもあるぜ」

先程見つけた不思議な宝石と同じものが次から次へと発見される。触ると先程と同じことが起きてしまうため回収はできないのが気掛かりではあるが。

「おぉ!!こいつ意外とうめぇぞ!!」
「ナツゥ、落ちてるもの食べたらお腹壊しちゃうよ」

いや、ナツが一人で拾いながら来ていたらしい。しかし、ナツが美味しいと感じるってことは、炎系の魔法が込められているってことか?

(ということは相手は炎系の魔導士か?それならナツとシリルが有利だと思うが・・・)

問題はシリルの体調が優れないということだ。船酔いが影響しているのか?だが、それだとナツとウェンディが平気なのが説明がつかないが・・・

(いや、今は気にしない方がいいか。どれだけの相手かわからない以上、そいつらを何とかすることに意識を集中した方がいい)

これだけわかりやすい痕跡を残しているということは、相当大きな組織の可能性だってある。それも、末端まで監視の目が行き届いていないほど。

「おい、あの家っぽくないか?」

しばらくすると、それまで何もなかった森の中で唯一の建物が姿を現す。しかし・・・

「いや・・・こんなに小さい家を選ぶか?」

目の前にあるのは普通の民家にしか見えない。予想していた組織の大きさから考えると、こんな家に収まるとは思えないが・・・

「他にそれらしい建物もないわよ?」
「他に支部があるとか~?」
「えぇ?そんなことあるかな?」

周りを見ても人が住めそうなところはない。森の中に潜んでいる可能性もあるだろうが、人の気配らしいものもない。

「おぉい!!そこにいるんだろうぅ!!出てこい!!」
「「「「「!!」」」」」

私たちの中で腑に落ちない点に頭を悩ませていると、後から来たナツが民家に向かって声を上げる。突然のことだったため私たちは全員が驚き、一斉にそちらを向く。

「ナツ!!何やってんの!!」
「お前はいつもいつも・・・」

呆れて物も言えないといった様子のルーシィとグレイ。これにはさすがに何か言わなければならないと思っていると・・・

「ねぇ、本当にあんなので来たわよ?」
「ほら!!だから言っただろ?」

民家の方から男女の声が聞こえてきてすぐさまそちらに振り返る。

「あれだけわかりやすい誘導に引っ掛かるなんて・・・」

一人は緑色の長い髪をポニーテールにしている少女。見たところ私たちと同じくらいの年齢だと推測できる。

「いいんだよ、こいつらバカだから。あんなのでもこっちまで来るんだよ」

もう一人はオレンジ色の髪をした少年。見たところ私たちと同い年かもう少し下かと思うくらい幼い印象を与える。

「ほら見ろ!!やっぱりいた!!」
「いや・・・でも・・・」

ナツが得意気な表情を浮かべているが、私たちは困惑してしまう。その理由は色々あるが・・・

「あの二人だけ?」
「いや・・・そんなことあるのか?」

今のところ姿を見せているのはあの二人しかいない。他にも仲間がいてこちらを狙っているのかと周りを見回すが、やはり気配はない。

「いや、二人分の匂いしかしねぇ。間違いなくあいつらの匂いだ」

私たちの考えをすぐに否定するナツ。ナツがそう言うのなら間違いないのだろう、しかし・・・

「この二人だけでこれだけのことができるのか?」

一番の疑問はそこだ。異常気象の原因があると思い捜査を始めた私たち。それをあからさまに誘い込んできたのがたったの二人組・・・しかも、魔力の感じがあまりしない。そんな二人にこんなことができるのか?

「いや、二人じゃないよ」
「もうお一方いらっしゃるけど、今は別行動中よ」
「・・・?」

女の方の言い方が妙に気になったが、今はそれは置いておく。もう一人いてもそれでも三人だ。とてもじゃないがこいつらが原因だとは思えない。

(無駄足か?いや、しかし・・・)

私たちをからかうつもりなら姿を見せる必要はないようにも思える。彼らが白なのか黒なのか、皆目検討がつかない。

「どうした?攻めてこないのか?」
「探していたんでしょ?私たちを」

そんなこちらの思考を見透かしたかのような二人の言葉。それを聞いた瞬間、ナツとグレイが走り出した。

「なんだ!!やっぱりこいつらか!!」
「なら話しは早ぇ!!」

炎を拳に纏わせるナツと両手を合わせ魔力を高めるグレイ。

「待て!!二人とも!!」

こんなにあっさりと誘いに乗っていいはずがない。きっと相手は何か仕掛けているに違いない。これだけ分かりやすく誘い込んできた上に、ここまでのわかりやすい挑発。

一直線に突進していく二人を制止しようとするが、彼らが言うことを聞くはずもなく突き進んでいってしまう。

「どっちをやりたい?」
「黒髪の方かな?カッコいいし」
「OK!!」

双方とも向かい打つ相手が決まったのか、オレンジ髪の男はナツに、緑髪の女はグレイの方へと体を向ける。

「火竜の・・・」
「アイスメイク・・・」

二階からこちらを見下ろしていた二人に向かってジャンプする。もう相手は目と鼻の先。それなのに、仕掛けられていると思われていた罠が発動しない。

「なるほど、これが噂の竜の子供か」
「なんだ、氷系の使い手なんだ。つまんないの」

ギリギリまで引き付ける作戦なのか知らないが二人は完全に無防備。仮に今から魔法を発動させてもとても防げるとは思えないほどの接近を許している。

「鉄拳!!」
大槌兵(ハンマー)!!」

何事もなく繰り出される二人の魔法。それに対し、相手はようやく動きを見せる。

「はいはい、遅い遅い」

オレンジ髪の男は難なくナツの拳を掴み・・・

「そんなんじゃ相手にならないかな?」

緑髪の女は手を振ったかと思うと、凄まじい熱気と共にグレイの魔法が溶けてなくなってしまう。

「「なっ・・・」」

何が起きたのかこちらの理解ができないほどの速度での防御。しかも、それだけでは終わらない。

「俺たち天使(・・)にそんな簡単に接近したら・・・」

オレンジ髪の男が拳を握ったかと思うと、瞬く間にそれにナツ以上の炎が纏わりついてくる。

「痛い目見るぜ!!」
「がっ・・・」

何が起きたのかわからなかった。炎を纏わせたと思った瞬間に、いきなりナツの体が宙を舞っていた。二階から地面へと叩きつけられるナツ。体から落ちた彼は完全に白目を向いており、痙攣しているかのように体が震えている。

「やべっ・・・殺っちまったか?」
「いや、大丈夫じゃない?丈夫そうな人間だったし」

いつの間にか拳を繰り出していた体の向きから倒れているナツを見下ろす男。その隣にいる女はグレイの顔を掴んだかと思うと・・・

「はいどーん」
「ぐっ!!」

彼の腹部に拳を叩き込み、グレイも地面へと叩きつけられる。

「大丈夫!?ナツ!!グレイ!!」
「俺は大丈夫だ・・・」

なんとか受け身を取れたグレイは大丈夫そうだが、ナツは全然動く気配がない。息はしているから命は大丈夫だと思うが・・・

「あいつら・・・思ってたよりも強いぞ」
「あぁ・・・そのようだな」

鎧へと換装して二人の方を見上げる。彼らから感じられる魔力は微々たるものなのに、動きは私たちよりも遥かに優れた魔導士のそれだ。心してかからなければならない。

「なんだ、全然歯応えねぇな」
「でもやる気はあるみたいだし、遊んであげましょ?」
「だな」

敵意を向けられても余裕綽々な二人。予想していた相手とは違うが、彼らがこの異常気象の原因なのは間違いないだろう。そう思うと、自然と剣を握る手に力が入った。

















シリルside

「ふぇぇぇ・・・なんかどんどん調子悪くなってくよぉ・・・」
「大丈夫?引き返す?」

先を行くナツさんたちをゆっくりした足取りで追いかけている俺とウェンディ。でもなんでだろう・・・体調が治るどころかどんどん悪化している気がする。

「でもここで引き返すのはなんか悔しい・・・」
「その感情が勝っちゃうんだ・・・」

皆さんがどこまで行っているかわからないけど、何もできないで戻っていくのは悔しいし、この国の人にも申し訳が立たない。そんなことを思いながら進んでいくと、木々で覆われていた先程までの風景とは違い、開けた地が見えてくる。

「あっちからみんなの匂いがするね」
「うん。それに知らない匂いもいくつかするよ」

やっぱりこの先にこの異常気象の原因がいたらしい。誘い込まれているような感じだから大丈夫なのか気になるけど、あの人たちなら大丈夫だろう。かなり強いし。

そんなことを思いながら進んでいくと、敵の本部と思われる民家が見えてくる。

「え・・・」
「ウソ・・・」

そして真っ先に見えてきた光景に俺たちは言葉を失った。
なぜならそこに広がっていたのは、見たことのない二人組の男女が平然と立っており、それに屈するかのようにナツさんたちが伏せている光景だったからだ。




 
 

 
後書き
いかがだったでしょうか。
こいつまたバトル端所りよったと思ったと思いますが、大丈夫です。
次の話でこの分のバトルの描写も出します。じゃないとこの章、相手が強すぎてすぐに終わってしまう・・・ 
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