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八条学園騒動記

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第六百二十一話 文化祭がない国その一

               文化祭がない国
 七海は自分以外の四人に言った。
「連合じゃどの国も文化祭やるわね」
「うん、こうしてね」
「毎年一回は行われるわね」
「どの学校でもそうだね」
「連合のどの国の学校でもね」
「エウロパはどうなの?」
 今話しているこの国はというのだ。
「あっちは」
「ないみたいだよ」 
 菅がすぐに答えた。
「あちらでは」
「ないの」
「そうみたいだよ」
「そうだったのね」
「体育祭もね」 
 こちらもというのだ。
「ないみたいだよ」
「どっちもないの」
「それで修学旅行も」
 このイベントもというのだ。
「ないみたいだよ」
「全部ないのね」
「うん、本当にね」
 一切というのだ。
「全部ね」
「全然面白くないわね」
「どれも人生の思い出になるっていうね」 
 スターリングは首を傾げさせつつ述べた。
「そう言うけれどね」
「けれどそうしたことはね」
「ないんだね」
「エウロパだとね」
「寂しいね」
「僕もそう思うよ」
 菅にしてもだった。
「それだとね」
「全くだね」
「あと制服も」
 連合ではある学園とない学園がある。
「平民と貴族じゃね」
「違うね」
「平民の制服はラフでね、スカートの丈は短かったりするけれど」
 それでもというのだ。
「貴族だとね」
「堅苦しくて」
「スカートの丈も」
 これもというのだ。
「足首位まであってコーディネイトもね」
「自由だよね」
「もうドレスみたいな」
「凄いデザインだったりして」
「オーダーメントしてね」
 自分でそうしてというのだ。
「専属のデザイナーの人に頼んだ」
「そうした制服着てるんだ」
「生地も違っていて」
 それもというのだ。
「シルクとかね」
「ないわね」 
 シルクと聞いてだ、蝉玉は冷めた目になって述べた。言いながらレモンティーを飲んでいたがその目がかなりのインパクトだった。
「それは」
「そうだよね」
「制服でシルクって」
「連合じゃないね」
「シルクなんてね」
 それこそというのだ。
「贅沢な生地のね」
「代名詞だよね」
「ウールの制服でもかなりなのに」
「貴族だとだよ」
「そうなのね」
「セーラの服もいつもシルクだけれど」
 スターリングは彼女のことも話した。 
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