エルフと結婚
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第三章
「ですから」
「あちらでは米か」
「あの地域は気候は温暖でしかも水も豊かなので」
だからだというのだ。
「ですから」
「それでか」
「あの地では米です」
「多くの米を作ってか」
「民に食べてもらいましょう」
そうして民の腹を満たそうというのだ。
「そうしましょう」
「米を作らせるか」
「そうです、米は収穫高が違いますので」
麦より遥かに多いというのだ。
「ですから」
「それを開墾した地で作らせるか」
「そうすべきかと」
「わかった」
侯爵は妻の言葉に頷いた。
「では陛下に申し上げよう」
「そうしてくれますか」
「細君の考えとしてな」
カターニャを見て述べた。
「そうさせてもらう」
「それでは、そしてです」
妻は夫が自分の言葉に頷くとさらに述べた。
「北の寒冷な地にはジャガイモやトウモロコシを作らせましょう」
「北はそうしたものか」
「この国は南北で気候が随分違うので温暖で水の多い南では米を作らせ」
そうしてというのだ。
「北の寒冷な地ではです」
「そういったものをか」
「作らせて」
そうしてというのだ。
「民の腹を満たしましょう」
「麦だけではないか」
「はい、そうしてまずは民の腹を満たしましょう」
こう言ってだった。
カターニャは夫である侯爵に開墾地の米だけでなく北の寒冷地の話もした、侯爵はすぐに王にこの話をすると王もやってみようと言ってだった。
早速米やジャガイモ、トウモロコシを作らせた。すると。
王も驚いて侯爵に話した。
「我が国の食糧事情が一変したな」
「はい、生産高が倍以上になりました」
侯爵は王の前に跪いて述べた。
「まさに」
「そうだな」
「米、それにジャガイモやトウモロコシが加わり」
「麦だけでなくな」
「それで民の腹が満ちました」
「家畜に残りを食させ家畜も増えている」
「素晴らしい状況になっています」
侯爵は王に述べた。
「まことに」
「そうだな」
「我が妻の勧めですが」
「そうした作物を作らせることはだな」
「はい、そして街の商いにおいて座やギルドを廃止して」
「誰でも商いが出来てだな」
「職人達も自由に動ける様にしたことも」
「よかったな」
「かなりの反発を受けましたが」
座やギルドの廃止はというのだ。
「非常に。ですが」
「それでもだな」
「既存の商人達にもその際何かと便宜を行い」
「静かにさせたな」
「職人達も。こういったこともです」
全てというのだ。
「妻の考えです」
「そうなのだな」
「我が妻は内政の天才です」
そう言っていいというのだ。
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