予防接種
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第二章
「だからね」
「注意しないとな」
「そう、だからね」
「絶対にしないとな」
「ふわりの為にも私達の為にも」
「世の中の為にもな」
「保健所に野良犬や野良猫が入れられるのもその為よ」
ふわりの前の飼い主達がふわりを捨てたその場所の話もした。
「ああしたところもね」
「狂犬病の犬や猫がいない様にする為だよな」
「そのことがあるからね」
「存在するんだよな」
「本当に怖いから」
狂犬病はというのだ。
「だからね」
「それであるから」
「あながち否定も出来ないのよ」
「世の中の難しいところだな」
「そこはね、けれどふわりの注射は終わったから」
「よかったな」
「ええ、それじゃあね」
「今日はふわりには休んでもらうか、いや」
洋介は思い直して言った。
「散歩行かないとな」
「夕方のね」
「後で連れて行くな」
「そうしてね」
「ああ、ふわり今度は楽しい場所に行くからな」
だからだとだ、洋介はケージの中のふわりに言った。
「それまでは寝ていろよ」
「クゥン?」
彼に言われてふわりも目を覚まして応えた。
そしてだ、洋介を見て頷く様に鳴いた。
「クゥン」
「夕方にな、じゃあな」
「ええ、夕方に行って」
母も言ってきた。
「そしてその後でね」
「ご飯だよな」
「そうしましょう」
「それじゃあな、しかしな」
「今はね」
「ゆっくりと寝てもらうな」
「頑張って予防接種に行ってもらったしね」
「そうするな」
「そうしてもらいましょう」
こう話してそうしてだった。
洋介はふわりに夕方まで休んでもらうことにして自分も休んだ、そうしてそのうえで夕方は彼女を散歩に連れて行った。その時にはもう気を取りなおして元気になっていた。
予防接種 完
2021・6・28
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