レーヴァティン
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第二百九話 ルールへその一
第二百九話 ルールへ
一ヶ月遅れてだった。
空船達は久志が率いている帝国軍主力の陣に来た。久志はその空船達が空から来るのを見て笑顔で言った。
「よし、これでだ」
「要塞攻略ですね」
「それを行いますね」
「そうしますね」
「ああ、これであの要塞もな」
年功不落のそれもというのだ。
「落ちるな」
「整備は予定の一月遅れですが」
「それでもですね」
「陛下としてはですね」
「いいさ」
それでもというのだ。
「他のことも出来たしな」
「多くの地域が帝国に入りました」
「それも殆ど兵を動かさず」
「それが出来ました」
「有り難いことに」
「そうだな、それにな」
久志は今度は要塞を見て話した。
「要塞に色々噂を流してな」
「そうしてでしたね」
「誰かが内通しているだの」
「脱走兵が出るだの」
「鼠に食糧が食われるだの」
「色々流しましたね」
「只の噂でもな」
ここでも噂の話をするのだった。
「やっぱりな」
「耳に入り」
「そして心に残りますね」
「そうなりますね」
「そして脅かしますね」
「噂はただで流せてな」
それでもというのだ。
「多少でも効果があるからな」
「いいですね」
「リスクがないので」
「流せるならですね」
「流せばいいさ、実際それで三国は険悪になってるしな」
騎士団と王国、連合王国の関係についても話した。三国の関係は帝国の流言飛語で多少だがヒビが入っているのだ。
「それで連携もな」
「悪くなっていますね」
「手を結んでいても」
「そうなっていますね」
「ヒビでもな」
それ位の関係悪化でもというのだ。
「やっぱりな」
「あればですね」
「それだけ効果がありますね」
「それだけでも」
「ないよりある方がましだろ」
久志は将帥達にこうも言った。
「そうだろ」
「はい、確かに」
「その分だけです」
「確かにいいです」
「それだけ」
「だからな」
それだけにというのだ。
「要塞の中の士気も多少でもな」
「落ちているなら」
「それでいいですね」
「それが多少でも」
「戦に影響が出ますので」
「少しの影響でもな」
それでもとだ、久志は話した。
「重なっていくとな」
「大きいですね」
「塵も積もればといいますが」
「左様ですね」
「そうだよ、だからな」
それでというのだ。
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