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八条学園騒動記

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第六百十八話 チョコレートも食べてその十

「何も残しません」
「あの、破壊って」
「破壊は貴いことです」
「破壊神シヴァかな」
「そうです、創造と調和と破壊があり」
 ヒンズー教のサイクルである、世界はこの循環の中で動いているというのだ。
「破壊によってもです」
「ことが成るんだ」
「そうです、対立は時にです」
「破壊にもなるんだ」
「そうなってもです」
 それでもというのだ。
「いいという時にです」
「対立するんだ」
「私はそう考えます」
「ううん、俺にはわからない考えだよ」
 どうにもとだ、生徒はセーラに言葉を返した。
「それは」
「左様ですか」
「どうもね」
 こう言うのだった。
「そこまで至るって」
「あらゆるものは輪廻の中にあり」
「破壊もなんだ」
「あるので」
「それで揉めたらだね」
「そこから破壊に至ることもです」
 こうしたこともというのだ。
「あります」
「そうなんだね」
「そしてです」
 セーラはさらに言った。
「出来るだけ破壊は短くそして先にして」
「先になんだ」
「調和の時をです」
 それをというのだ。
「長くする様にです」
「することなんだ」
「はい」
 そうだというのだ。
「その様にすることです」
「そうなんだね」
「そう思います、あと連合は千年続いていますが」
 今度はこの国の話をした。
「色々形は変わりますがこれからもさらにです」
「続くんだ」
「はい、少なくとも千年は」
「長いね」
 千年と聞いてだ、ベトナム人の生徒は考える顔になって述べた。腕を組みそうした顔になってセーラに語った。
「それだと」
「人の感覚ではそうですね」
「ミレニアムっていうしね」
 この言葉も出した。
「やっぱりね」
「千年は長いですね」
「そう思うよ」
「ですが千年は神にとってはです」
「短いんだ」
「宇宙が生まれ消えるまではです」
 何百億年あるというそれがというのだ。
「神の一日ですから」
「それヒンズー教のお話だね」
「そうです、ブラフマー神が目覚め」
 ヒンズー教の創造神であるこの神がというのだ。
「眠るまでがです」
「宇宙の歴史なんだ」
「そうです、ですから」
「千年もだね」 
「神にとってはです」 
 まさんというのだ。
「瞬きよりも短い」
「一瞬なんだ」
「その一瞬すらです」
 神にとってはというのだ。 
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