イベリス
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第十話 アルバイトその六
「けれどお姉ちゃんはね」
「それでもだな」
「しっかりしてるっていうのね」
「お前にも色々教えてくれる」
「有り難い従姉ね」
「だから今回も聞くわ」
そうするというのだ。
「今後の為にね」
「まあね、それでどうにかなるならいいわ」
母は娘に折れた感じで応えた。
「じゃあね」
「ええ、聞いてくるわね」
「そうしなさい」
「お姉ちゃんにも色々話して」
咲は両親との話を終えてすぐに携帯を出して愛にもアルバイトのことを話した、そして渋谷のことも聞いた。
「何処に行っていいかね」
「お店とか場所よね」
「悪いかも教えてくれる?」
「いいわよ、それはね」
愛は咲に早速渋谷のことを話した、そのうえで従妹に言った。
「原宿も新宿も銀座も六本木もね」
「知ってるの」
「もう東京一通り行ってるからね」
「そうなの」
「巣鴨とか大塚とか駒込も知ってるわよ」
そうした地域のこともというのだ。
「鶯谷も両国もね」
「本当に色々知ってるのね」
「ええ、ただ夜の繁華街は一人で行かないこと」
「そのことは絶対ね」
「さもないとね」
愛は咲に注意する様に話した。
「とんでもないことになるわよ」
「夜の繁華街ね」
「歌舞伎町とかね。私も一人じゃ行かないから」
夜の繁華街はというのだ。
「危ないから。高校生じゃ間違ってもよ」
「行かないことね」
「それが身の為よ、あとネットでも調べて」
そちらでもというのだ。
「危ない場所はね」
「お姉ちゃんから聞くだけじゃなくて」
「そう、自分でも調べて」
そうしてというのだ。
「確かめるといいわ」
「自分でも調べるのね」
「あらかじめね、そうしたらよく覚えるから」
「聞くよりも自分で調べることね」
「そう、その方がよく覚えるから」
だからだというのだ。
「そうしてね」
「それじゃあ」
咲は従姉のその言葉に頷いて応えた。
「これからはね」
「調べてね、それと」
「それと?」
「わかってると思うけれどネットの情報は嘘が多いから」
愛は咲にこのことも話した。
「だから情報の見極めもね」
「大事ね」
「そう、食べものなら実際に食べてみてだけれど」
「危険な場所はね」
「危険な目に遭ってからじゃ遅いから」
こう言うのだった。
「このことはね」
「要注意ね」
「私は咲ちゃんには嘘は言わないからどうかわからない時はね」
その情報が嘘か真か、という時はというのだ。
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