DQ3 そして現実へ…~もう一人の転生者(別視点)
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海の魔物が強すぎて…
私達は、元盗賊のカンダタ情報で『ランシール』の情報を得ます。
ランシールって言えばアレです…勇気を試す『独りぼっち試練』です。
でも『最後の鍵』が無いと、中には入れないって事も発覚。
そして元海賊のモニカ情報で『最後の鍵』と『エジンベア』の事を知ります。
エジンベアに最後の鍵が有るんじゃね?って感じの情報…
間違ってますよね…
最後の鍵を手に入れる為の鍵…『乾きの壺』があるだけなのにね!
そんな事知ってるのは私だけです…何とか皆を誘導しないとね!
まぁ、バカ揃いだから簡単でしょう!
お父様が、
「何だそのいい加減な情報は!?」
と、例の如く文句だけを言います。
お前何もしないクセに偉そうだな!
「お父様…例え情報が間違ってても、新たな情報が見つかるかも知れませんですわ」
愛しの娘の一言で、親馬鹿男も納得!
始めっからゴチャゴチャ言うなっつーの!
さてさて、悪に染まった鼻つまみ共とは言え、流石は元海賊です…
船を操らせたら一級品です!
アルル様達も楽になったようです!
でもでも海には凶悪なモンスターが盛り沢山!
私達は、巨大なイカのモンスター『テンタクルス』3匹に襲われ、てんてこ舞い!
私もお手伝いして戦いたいのですが、イオナズンしか使えませんから、手を出すわけには参りません!
お母様とお兄様も、アルル様の成長の邪魔をしない為、もどかしそうですが手を出しません。
誰か1人でもくたばれば、考えが変わるかもしれません。
「メラミ」
お母様のメラミに比べたらハナクソみたいなメラミですが、ウルフ様が頑張って戦ってます。
何よりそのメラミでイカを1匹倒しました!
しかしまだ2匹います。
海に潜って魔法の威力を軽減させ攻撃を仕掛けてくる為、苦戦を強いられてますねぇ…
「くっ!厄介ねぇ…直接攻撃が届きにくいわ!」
ふぅ…勇者なのだから、しっかりしてほしいわねぇ…
何処の世界でも勇者って大したこと無いの?
ここで活躍するは、武闘家のハツキ様!
イカが海中から姿を現した瞬間を狙い、船から勢い良くジャンプしてイカの頭 (?)へと強烈な蹴りを食らわせる!
会心の一撃ですわ!蹴りの反動を使い、舞う様に甲板へと着地する…オッパイがブルンブルン揺れて美しい!
「ナイス、ハツキ!これであと1匹よ!」
アルル様がハツキ様を祝福する…そんな余裕はねぇだろが!
案の定隙を付いて残りの1匹が、船に乗りかかりアルル様の足を払った!
船事傾き皆バランスを崩す…
そしてイカが倒れてるアルル様に向かい襲いかかる!
『おぉ…勇者アルル…死んでしまうとは何事だ!』
そんな台詞が頭の中で思い浮かんだ時、お兄様が大声で叫んだ!
「ア、アルル!!…ライデイン!!」
お兄様が『ライデイン』でイカを倒した…結局我慢できずに手を出した。
そしてアルル様に近付き抱き起こす…何?良い感じじゃないの!何時の間にか出来ちゃったの?
「あ、ありがとう…ティミー…」
「あ、いや…その…危なかったから…つ、つい咄嗟に…」
互いに見つめ良い感じ…お兄様はリュリュお姉様の事を諦めたって事かしら?
まぁ、ヤれない女よりヤれる女のほうが良いわよね!
つまりアルル様は何時でもヤれそうなのかしら?
貞操を守る女性に見えたけど…意外ねぇ…
そんな二人をカンダタや水夫等が囃し立てる。
ぶっちゃけ不愉快である!
お兄様をからかって良いのは、私達家族だけ!
部外者やお前等の様なモブが、調子こいて囃し立てるんじゃねぇ!!
お父様も気に入らない様で、難しい顔で二人を見ている。
「あ、あの…リュカさん…どうしました…?」
何時も笑顔のお父様が、難しい顔してるからアルル様が不安に思っちゃったみたいです。
「………ティミー……次もお前が戦うのか?」
?………良く意味が分かりませんねぇ…
アルル様のピンチを助けたのが気に入らないの?
格好いいところは、全部自分が物にしたいの?
それともアルル様を狙っていたお父様は『俺の女に手を出すな!』って事かしら?
「アルル達の中に『ライデイン』を使える者は居るのか?」
居るわけ無いじゃん!
ライデインは勇者だけの魔法よ!
「確かに先程アルルは危険な状態だった…助けたくなるのは分かるよ。でも…アルルの成長の妨げにしか見えない!…ティミー…お前は『スクルト』が使えるのだから、さっきは防御力の強化だけで良かったんじゃないのかなぁ?お前が倒す必要は無かったんじゃないのかなぁ?」
つまりお父様が不機嫌なのは、アルル様の修業の邪魔をしたからなのね…
結構厳しいとこもあるのね…
「じゃ、じゃぁ私がライデインを憶えます!…私だって勇者です。私がライデインを憶えて、今後ティミーが前戦に出ない様にしますから!目の前で見せてもらったから直ぐに憶えてみせますよ!それで文句はないでしょ、リュカさん!」
あらあら、健気ねぇ…
どうやらアルル様もお兄様に惚れちゃった様子です。
二人して手を繋ぎ船首のほうへ行っちゃいました!
魔法の勉強をする振りして、イチャイチャ・エロエロ励むのですかね?……無いな…あの二人にはそれは無い!
「リュカさん…ちょっと言い過ぎじゃないですか…?咄嗟の事だったのだから…思わず攻撃呪文を唱えちゃったんだと思いますよ…」
優しいマイダーリンが、お兄様とアルル様を庇ってます。
「仲間を救ったのだから、父親として褒めてあげるべきでしょう!」
きっと父親としての自覚が足りないのよ!だってアホだもの!
「…救った…?確かに今は救ったよ…でも、未来はどうだろうか?何度も言うが、今急に僕等が元の世界へ戻ったら、君らはどうなる?さっきのイカが、また現れたら…今のウルフ達だけで倒せたのか?みんな無事で戦闘が終わったのか?」
100パー全滅ね!
「そ、それは………」
「ウルフだって偉そうな事言ってられないんだぞ!」
はぁ?ウルフ様は活躍したじゃん!メラミで1匹仕留めたじゃん!
「え!?お、俺が何ですか!?」
「さっきみたいな場面では、魔法が頼りなんだ!なのにメラミで1匹倒した程度…先程の戦闘で活躍したのは、ハツキ一人だ!己の身体能力を最大限に駆使して、華麗に舞い敵を倒した!それに引き替えウルフ…君はメラミを放っただけ…せめて3匹に大ダメージを与えられるベギラマくらいは唱えられないと…」
何言ってるのこのアホは!
他の連中が使役に立たないだけじゃない!
ウルフ様は悪くないわよ!!
「お、お父様!そうは言いますが、ウルフ様のメラミは凄かったですわ!1発でテンタクルスを倒したのですから!」
「マリー…お前に戦闘の何が分かる…?」
ぐっ………
確かに、ガチの戦闘は私の知らない事ばかりだけど…
「今、お前達には守る者がある!この船と、船を動かしてくれている水夫達だ!誰かを守りながら戦うという事は、非常に難しい事なんだ。負ければ自分だけでなく、守ろうとした者の命も失う事になる…『頑張りました』じゃ意味がないんだよ」
クソ!
アホ兄貴が余計な事するから、こっちにまでとばっちりが来た…
「マリーは魔法の威力が強すぎて、味方に被害を出しかねない…逆にウルフは威力が弱すぎて、味方を危険に晒してる…」
ムカつく…
やっぱりイオから憶えるべきだったのよ!
お姉様の所為で、こんなムカつく事態になりましたわ!
「じゃぁ、私とウルフ様で魔法の勉強を致します!そして私は威力調整を…ウルフ様は強力な魔法を…それぞれマスターしてみせますわ!!」
やってやろうじゃないの!
魔法で手加減が出来る様に、頑張ってやるわよ!
ついでにウルフちゃんとの仲も進展させてやるんだからね!
見てろアホ親父め!
思わず涙が出てきた私は、それを拭うとウルフ様の手を取り、船室へと引き上げる!
そして私の魔法勉強は始まった。
最初は腹立たしかっただけだけど、魔法の勉強は結構面白い。
何より可愛いウルフちゃんと二人きりなのが最高ですな!
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