| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

おぢばにおかえり

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六十四話 阿波野君と先輩その二十九

「にくいかわいいはね」
「八つのほこりのですね」
「そう、阿波野君はそうした感情が強過ぎるから」
「嫌いな相手は徹底的に嫌う癖性分がですね」
「駄目だから」
 このことをさらに言いました。
「注意していくわよ」
「そうですか、ですがあの人を好きになれとかは」
「そこまではいかないから」
 私もそうしたことは求めないです、人に対して私自身を好きになってくれとか言ったこともないですし。
「というか無理でしょ」
「僕人を無理に好きにならないんですよ」
「自然と好きになるのね」
「それで自然と人を嫌いになります」
「その嫌いな感情を抑えることよ」 
 好きになることは構わなくともです。
「嫌いにならない様に努力しないと」
「そういう努力もですか」
「していかないと駄目よ」
「僕人を無理に好きになろうとしたらいつもその人かえって嫌いになるんで」
「だからしないの」
「人の好き嫌いって自然になりますよね」
「阿波野君の嫌い方は尋常じゃないから言うのよ」
 とにかく嫌いになったら全否定だからです。
「そうね」
「だからですか」
「そうよ、若し先輩に失礼なこと言ったら」
 もうこのことが心配でならないです。
「怒るからね、本気で」
「そこまでですか」
「そうよ、先輩が何を言ってもね」
「りっぷくしないことですか」
「とはいっても絶対にすると思うけれど」
 もうこのことは確信しています。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧