イベリス
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第九話 部活も入ってその十二
「ちょっと」
「そうなの」
「はい、そんな酷い人は」
「じゃあ酒乱で奥さんや子供さんに暴力振るう人は」
「いないです」
こうした人間も親戚にはいなかった」
「ちょっと」
「じゃあ働かないで人の家に上がり込んで大飯ばかり食べてお金貰ってお風呂も入って奇麗なお布団で寝て人の部屋に勝手に入って本漁っていつも尊大で文句ばかり言う人は」
「いないですけれど」
咲の返答は同じだった。
「そうした人も」
「皆いないの」
「あの、どの人達も最低ですよね」
咲は先輩に怪訝な顔で返した。
「どう考えても」
「だからそうした人達がね」
「親戚にいないかですか」
「聞いたけれど」
「本当にそうした人達はです」
咲はあらためて答えた。
「私の親戚にはです」
「いないのね」
「はい」
その通りだというのだ。
「有り難いことに」
「それは本当に有り難いわね」
これが先輩の聞いた感想だった。
「小山さんっていったわね」
「はい」
「貴女それだけで幸せよ」
「そうなんですね」
「中にはこうした人が全部親戚にいる人もね」
「おられるんですね」
「毒親とかね」
今度はこうした人間の話をした。
「兄弟のうちどっちかだけを贔屓してね」
「もう一人は邪険に扱いますね」
「漫画動画でもあるでしょ」
「あっ、よくそうしたお話ありますね」
「こうした親がいる人もね」
「おられて」
「大変だったりするのよ」
こう咲に話した。
「中には虐待もね」
「ああ、自分の子供を」
「そんな人間ですらない親もね」
「持っている人がいますね」
咲もこのことはわかった、それで先輩にも話した。
「交際相手の子供虐待して殺した屑男の顔ネットで見ました」
「どうだったかしら」
「もう如何にも」
咲は見たそのままの感想を述べた。
「ゴロツキかチンピラで目の感じも」
「碌でもない奴だったのね」
「如何にも屑そうな」
「そうした奴だったからよね」
「従姉のお姉ちゃんも言う様な」
愛のことも思い出して話した。
「屑そうな奴で」
「実際にだったわね」
「屑でした」
「子供は大人より弱いよ」
部長はあえて誰もがしていることを話した。
「その子供を虐待して殺すなんてね」
「最低ですね」
「人間ですらね」
それこそというのだ。
「ないよ」
「そうですよね」
「僕もそうした人に会ったことはないけれど」
それでもとだ、部長は咲にさらに話した。
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