八条学園騒動記
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第六百十七話 地獄の甘さその三
「この甘さはかなりきますね」
「甘過ぎますか」
「かなり」
「そうですか」
「連合のアイスよりも」
「遥かにですね」
「甘くて」
それでというのだ。
「これはです」
「食べられないでしょうか」
「いえ、それは」
「食べられますか」
「それはです」
出来るとだ、店員はセーラに答えた。
「安心して下さい」
「そうですか」
「ですがやはり」
「甘過ぎる」
「強烈ですね」
その甘さがというのだ。
「普通のアイスの倍はです」
「甘いですか」
「いえ、甘さは五倍位で」
それでというのだ。
「食べる時間は倍はです」
「そちらがですか」
「かかります」
そうだというのだ。
「これは」
「そうですか」
「ですがこれがです」
ラメダスも店員に話した。
「マウリアではです」
「普通の甘さですか」
「左様です」
こう店員に話した。
「ですから私達はです」
「普通にですか」
「食べられます」
「そうですか」
「自国の味なので」
それでというのだ。
「慣れ親しんでいますので」
「だからですか」
「普通の速さで」
「食べられるんですね」
「左様です」
「そうですか。ですが」
店員はマウリアのアイスを食べつつラメダスに言葉を返した、その強烈な甘さに苦戦しながらも美味しいとは思っていた。
「逆に言うと」
「はい、連合のアイスはですね」
「物足りないですか」
「親しみやすい味でトッピングも豪勢で」
ラメダスはまずは連合のアイスの話をした。
「素材も調理方法もよく調理に使う設備もかなりのもので」
「美味しいですか」
「はい、ですが甘さは」
これはというと。
「やはりです」
「物足りないですか」
「どうしても」
「やっぱりそれはですね」
店員も頷くことだった。
「この甘さが標準だな」
「そこが違います」
「そうですね」
「うんと甘いものを食べて」
ベッキーも言ってきた。
「そして紅茶をです」
「飲みますか」
「うんと甘く濃いミルクティーを」
「それがマウリア流ですね」
「はい、コーヒーはです」
こちらの飲みものはというと。
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