| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

レーヴァティン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百七話 冬の進軍その二

「出るぞ、チロルに行く」
「そちらですか」
「チロルですか」
「そちらに入られますか」
「チロルからミュンヘンやニュルンベルグを手に入れてな」
 騎士団のそうした都市達をというのだ。
「ハンブルグとかもな、そしてアムステルダムもな」
「手に入れる」
「そうされますか」
「チロルから進まれて」
「そうしてな」 
 そうして進んでというのだ。
「騎士団領の南と西、人口も産業も多いそこをな」
「手に入れる」
「そうしていきますか」
「まずは」
「そうしますか」
「ああ、相手の一番豊かなところを奪ってな」
 そうしてというのだ。
「帝国領にする」
「それがですね」
「我が帝国の戦略でしたね」
「戦ではまずそうする」
「そのことが」
「ああ、だからな」
 それでというのだ。
「俺は主力を率いてな」
「そうしてですか」
「チロルからミュンヘンやニュルンベルグを攻め」
「そうしてですか」
「ハンブルグまで至りますか」
「それでフランドルもな」
 その地方もというのだ。
「手に入れるな」
「王国との国境でしかも産業が発達しています」
「そちらも掌握されますか」
「そうして騎士団の国力を奪う」
「そうしていきますか」
「ああ、そしてな」
 それでとだ、久志はさらに話した。
「騎士団と王国、連合王国の連携もな」
「国境を掌握し」
「そうして連携を断つ」
「そうして騎士団を倒す」
「まずはこの国ですか」
「そうするな、敵は一国に絞る」
 一度に多くの国を相手にすることはないというのだ、これもまた久志の基本戦略でありそれを進めていくというのだ。
「そしてな」
「そうしてですね」
「まずは騎士団を倒し」
「あの国をそのまま掌握しますね」
「そしてですね」
「その軍事力もですね」
「そのままな」 
 優秀なそれをというのだ。
「掌握するな、出来るだけ傷付けないでな」
「それが大事ですね」
「敵の力をそのまま手に入れる」
「それが大事ですね」
「戦においても」
「敵を倒すんじゃない、降すんだよ」
 久志は自分の考えをそのまま述べた。
「喧嘩と戦は違うだろ」
「はい、喧嘩は相手を負かします」
「ただそれだけです」
「それ以上の何でもありません」
「所詮は」
「戦は政だからな」
 その喧嘩とは違ってというのだ。
「だからな」
「それで、ですね」
「戦ならばですね」
「相手を倒すのではない」
「降し餡巣ね」
「だからですね」
「敵もな」
 その彼等もというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧