DQ3 そして現実へ…~もう一人の転生者(別視点)
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誰もが認めるトラブルメーカー
遙々来ましたイシスです!
やっぱ、ルーラってば便利だわぁ~…
「…す、すげぇ~…本当に複数人を同時に移転させちゃった…」
あらあらマイダーリンが可愛いお顔で呆けているわ♡
「やっぱり腹立つ…こんな便利な魔法を隠してたなんて…」
「まぁまぁアルル嬢ちゃん…旦那はみんなの事を思って隠してたんだから…」
「お!カンダタは良い事言うね!よし『リュー君ポイント』を1ポイントあげよう」
何じゃそれは?
「…何スか、それ?」
「うん。10000ポイント貯めたら、頭をナデナデしてあげる!」
「わぁ…心底どうでもいいッスね…」
「馬鹿な事言ってないで行くわよ!女王様に謁見しないと…」
「え゛!?今から…今日は遅いし宿屋へ行こうよ…」
どうしても一発やりたいみたいだな…
困った事に、お母様までその気だよ!
「まだ昼前ですよ!遅くはないでしょう!サッサと行きますよ!」
まぁ、最終的には強制連行よね!お兄様とアルル様って結構良いコンビじゃん!
「お父様ぁ…どっちを向いても砂ばかりですねー!」
私は謁見の間控え室の窓から外を眺め、それ以外言いようのない感想を述べる。
「そうだね、飽きるよね。誰か代理の人だけが此処で待ってても良いよね。僕、宿屋で待ってても良いと思うよね!夫婦仲良く頑張っても良いよね!」
かれこれ4時間は此処に居るだろう…
ウンザリしてくるのも分かる…が、ただお母様とエッチしたいだけの発言は、やめてもらいたいわね!
「お父様はお母様とラブラブですのねぇ!」
「そうなんだよ。お父さんはお母さんとラブラブでシッポリと楽しみたいんだよ!」
うん。やっぱバカだ!
普通、幼い娘にそんな事言わないもの!
世間一般の父親なら『シッポリ』とか、言わないもの!
「どっか空いてる部屋は無いかな…小一時間程、貸してくれないかなぁ…」
「お父様…そんな事言ってると、またお兄様とアルル様に怒られますわよ」
「あはははは、あの二人気付いたらタッグ組んでるよね!…何か示し合わせでもしたのかな?」
「きっと二人とも、同じ苦労を味わった被害者だからですわ♥」
「(クスッ!)苦労するのはこれからなのに…」
お父様は抱いていた私を下ろすと、爽やかに笑いながら恐ろしい事を言う…
そしてお兄様とアルル様の元へと歩み寄る。
「なぁ…飽きてきたんだけど…帰ろうよぉ!」
これまたストレートな気持ちを口にする…
「また馬鹿な事を…仕方ないじゃないですか!他の皆さんだって順番を待ってるんですから、大人しく待ちましょう!」
年下に大人な意見を言われてやんの!
「みんな僕達の順番を抜かしてるよ!順番待ってないよ!僕達、係の人に故意に除外されてるよ!」
え!本当!?
「え!?」
私は慌てて周囲を見渡し、謁見室への出入りを確認する。
そして、やはり同じようにアルル様達も人々の出入りを目で追っている。
「…くっ!…リュカさんの所為ですよ!お偉いさんを怒らせるから!意趣返しされてるんですよ!………我慢して待つしかないでしょう…」
ちょ、何でこの人は貴族とか王族とかを怒らせるのが上手いの!?
「え~!ちょっと文句言って来る!」
「「「「え!?」」」」
それはあっという間だった…
お父様は突然謁見の間へと歩き出し、勢い良くドアを蹴り開ける!
「たのもー!」
「げっ!!ちょ、ちょっとリュカさん!」
皆でお父様を止めようとしたのだが、結局間に合わずなだれ込む様に謁見の間へ入っていった!
「リュ、リュカ!?どうしました!?」
うぉ!アレがイシスの女王か…
確かに良い女だ…
「用があって、謁見の順番待ちをしてたんだけど…もう待ってらんない!昼前から待ってるんだよ!」
「リュカ…いくら貴方でも順番は守って下さい!待つのが嫌だからって…」
「順番守ってねぇーのはそっちだろ!何で僕達より後に来た人が、僕達より先に謁見してんだよ!」
お父様、ちょっとご立腹!?
大臣さん達をぶん殴っちゃわないかしら?
それはそれで楽しそう!
「え!?どういう事です?」
・
・
・
「………と言うわけで、明らかに作為的に順番を抜かされ続けてたんだ!」
「…真ですかイプルゴス!」
アイツか!?嫌がらせをしてるのは!
「い、いえ…その…こ、これは偶然…その…」
吃るなよ…認めている様なもんじゃん!
「小せぇ男だな!何だぁ~、レイチェルの事を狙ってたのか?そんで僕に嫉妬したか?」
相変わらずムカつく台詞が似合うわねぇ…
「だ、黙れ!貴様なんぞ認めんぞ!」
「ぶははははは!いいもんね~、認めてくれなくても!ば~か!」
「わ、私は…女王様が幼い頃より仕えてきたのだ!女王様がお幸せになれるのなら…そう思い日夜仕えてきたのだ!それなのに貴様の様な浮ついたろくでなしが、女王様を汚しおって!」
オッサンが泣くなよ…
つ~か泣かすなよ…
「イプルゴス…泣かないで…私は幸せよ。頼りになる家臣に囲まれて…素晴らしい国民に恵まれて…そしてリュカに出会えた………だから泣かないで…そしてリュカを許してあげて!」
女王様がお父様に抱き付き、自身の幸せをアピールする…
やっぱり顔が良いと得よねぇ…
おや?
お父様が珍しく固まってる?
何で?美女に抱き付かれて?いやいや…あり得ないから!
お母様も何か感じた様で、お父様の前に回り込み何やら表情を観察している。
「リュカ…?どうか…しましたか?」
女王様も気付いたご様子…
「………レイチェル…彼氏出来たのかな?」
「リュカが彼氏になってくれるなら、出来たと言えるけど…それ以外では…リュカ以外の男性に興味が持てなくなったしね」
仮に居たとしても『貴方に出会えて幸せなの!』的な事を、言った相手に言うとは思えないが…
「リュカ…もしかして…またなの…?」
またって何が?
夫婦だけの秘密のサイン?
「父さん…またですか………しかも、こっちの世界で…」
あれ!?
お兄様まで話に入れるの!?
一体何が起きたのよ!?
私も仲間に入れてよね!
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