八条学園騒動記
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第六百十五話 またコーヒーを淹れるその十一
「言われてみると」
「どういう訳かね」
「何かね」
カトリは考える顔で菅に返した。
「先生は放っておくとね」
「そうするとなんだ」
「変な人達が集まって」
そうしてというのだ。
「それでね」
「ああなるっていうんだ」
「あとね、人材が他のところにいって」
「碌な人が集まらない」
「連合で何かしようと思ったら」
つまり身を立てるならというのだ。
「何でもあるでしょ」
「サラリーマンしたり公務員になったり」
「お店やったり起業したり」
「農家になったりね」
ジュディも言ってきた。
「タレントさんとかね」
「漁師さんもあるわね」
アンネットも言ってきた。
「林業でも」
「公務員は兎も角自分の実力でね」
「儲けられるわね」
「公務員はやりがいがあるし」
「政治家や官僚もだね」
マルティは政治に携わる仕事の話もした。
「汚職も出来るけれど」
「それ言ったらおしまいだろ」
フックはマルティの今の言葉に苦笑いで応えた、連合はよく汚職が多い国だとエウロパ等から批判されている。
「あれは付け届けだろ」
「礼儀の品だね」
「それだからな」
この辺りの区分けはかなり曖昧である。
「付け届けと賄賂はな」
「違うんだね」
「ああ、だからな」
それでというのだ。
「公務員にもあるけれどな」
「それもあってね」
「まあ付け届けを受けてもな」
「やることをやる」
「それでいいしな」
政治家や官僚なら国益を出せばいいというのだ。
「それでな」
「皆頑張るね」
「けれど教師はな」
「仕事は兎も角ね」
「隠そうと思えば犯罪も隠せるしな」
暴行や収賄等をだ。
「それで先生様だしな」
「威張れるし」
「それでな」
「腐敗していくね」
「威張れて犯罪隠せる位閉鎖的なら」
そうした世界ならというのだ。
「もうな」
「悪い人が集まるね」
「それで有能な人材は他にいってるしな」
即ち教師以外の仕事にだ。
「だったらな」
「悪い人も集まるね」
「そういうことだろうな」
こう菅に話した。
「本当に」
「そういうことだね」
「だからさっき捕まった連中もな」
「将来は」
「ヤクザ屋さんになるか」
若しくはというのだ。
「それかな」
「学校の先生だね」
「どっちかだろうな」
こう言ってだ、店の仕事に戻った。色々な話をしつつも文化祭は続いていた。
またコーヒーを淹れる 完
2021・4・9
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