八条学園騒動記
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第六百十五話 またコーヒーを淹れるその七
「国がないのならね」
「警察はないな」
「軍隊だってね」
「市民を守る人達がいないか」
「だったらどうなるか」
「悪い奴がやりたい放題だな」
「もう自然にね」
それこそというのだ。
「そんな社会になるから」
「世紀末になるんだな」
「文字通りそうした社会になるから」
「自然と自警団が出来てか」
「そしてその自警団がね」
自分達を守ってくれる彼等がというのだ。
「やがて勘違いしても悪い方向に流れて」
「マフィアになるんだな」
「だからね」
「自警団は駄目か」
「やっぱりちゃんとした警察や軍隊じゃないと」
さもないと、というのだ。
「駄目だよ」
「そうね、マフィアが牛耳るとかね」
「論外だからね」
カトリとジュディも言った。
「例え必要悪でもね」
「ない社会はかえって危なくても」
「それでも権力持ったらね」
「駄目ね」
「あくまで裏側にいる存在じゃないと」
ルシエンも言った。
「よくないってことだね」
「そうだよ、出来る限り存在しない」
「けれど存在しないと駄目で」
「それがマフィアだよ」
「ヤクザ屋さんで」
「僕はそうだと思うよ」
「成程ね」
「そしてその人達の悪事がばれたら」
その時はというと。
「さっきみたいにね」
「通報して」
「警察に働いてもらうんだ」
「そういうことだね」
「それでいいと思うよ」
「成程ね」
「まあヤクザ屋さんはヤクザ屋さんの行くお店に行けばいいのよ」
アンネットはあっさりと言った。
「健全なお店にはね」
「行かなくていいね」
「ええ、それはね」
「表に出たら迷惑だし」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「僕も同意だよ」
「ヤクザ屋さんはヤクザ屋さんのお店ね」
「普通のお店に出ることは」
このことはというと。
「よくないよ」
「そうよね」
「他のお客さんにもお店の人にもね」
「迷惑よね」
「裏は裏だよ」
「そっちで生きるべきで」
菅はアウトローの生きる場所のことも話した。
「そこから出ないで」
「それでよね」
「お店もね」
「裏のお店ね」
「そこに行って」
そうしてというのだ。
「楽しめばいいよ」
「全く以てね」
「連合はどんな人もどんなお店に行っていいけれど」
そしてどんな場所にもだ。
「それでもね」
「ヤクザ屋さんについては」
「お店も他のお客さんも迷惑だから」
「せめて外見は普通にして」
そうしてというのだ。
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