イベリス
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第七話 入学式の後でその十一
「じゃあね」
「速水さんにね」
「連絡しなさい」
「わかったわ」
「本当にこんなお話滅多にないから」
「時給千五百円のアルバイトだし」
「お金もだけれど」
それだけでなくというのだ。
「そんなね」
「有名な占い師さんのところでアルバイトさせてもらって」
「しかも美形ときてるから」
「お母さん美形にこだわってない?」
「そうかしら」
「ええ、確かに速水さん凄い美形だけれどね」
このことは事実だがとだ、咲は返した。
「ちょっとね」
「こだわり過ぎっていうのね」
「そう思ったわ」
速水の外見のことにというのだ。
「本当に」
「母さん、浮気は止めてくれよ」
父もここで妻に言った。
「頼むから」
「浮気なんてしないわよ」
「そうだといいけれどな」
「ホスト通いとかもしないし」
そうしたこともというのだ。
「私はそうでしょ」
「お金を使うだけだな」
「そう、ホスト通いなんてね」
それこそとだ、妻として夫に話した。
「何になるのよ」
「それは僕も思うよ、キャバクラとか」
「お父さんもでしょ」
「何がいいのか」
そうしたところで遊んでもというのだ。
「わからないな」
「そうよね、何がいいのか」
「お酒飲むならお酒だけにして」
「男の人と遊ぶとか」
「女の子とはな」
「何処がどういいのか」
「ホストクラブ?借金作るところ?」
咲は中学校で得た知識を話した、ある人がそこに入り浸って借金生活に入ったことを聞いているからこう言ったのだ。
「お酒飲んで」
「まあそうだな」
「そうなるわね」
両親も否定しなかった。
「結論から言えば」
「そうした場所だな」
「男前の人なんて」
咲はこれまた主観から話した。
「アニメとか漫画とかラノベにね」
「いや、現実だから」
母は娘の今の言葉には苦笑いで応えた。
「ホストクラブは」
「だからなの」
「そう、アニメとかでないね」
「実際の人で」
「お店で遊んで」
入り浸ってというのだ。
「貢いだりしてね」
「お金使うの」
「高いお酒注文したりしてね」
「余計にわからないけれど」
咲は眉を曇らせて述べた。
ページ上へ戻る