やって続けて成長
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第三章
「私も高校入ってね、今大学生だけれど」
「お姉ちゃんもよね」
「私は大会で優勝は出来なかったけれど」
それでもというのだ。
「主将もやったし今三段でね」
「大学でもよね」
「空手部だけれど」
そこに所属しているがというのだ、尚沙織はちなみより九歳年上だ。彼女にとっては優しくて頼りになる姉だ。
「やっぱり空手もね」
「まずはじめてよね」
「それで練習を欠かさずしてね」
そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「それでよね」
「段も取れて大会でも勝てて」
優勝は出来なかったがというのだ、ただ沙織は全国大会に出てそこでもそれなりに勝っている。
「それで護身にもなって人間性もね」
「磨けるのね」
「空手も道だからね、やっていって」
そうしてというのだ。
「備えていくのよ」
「そうね、そういえば」
母は長女の話を聞いて言った。
「沙織は運動神経がよくて真面目な性格だから」
「だからなのね」
「たまたまあんたが格闘漫画読んでいて」
「小学一年だったな」
その頃にとだ、父も言った。
「沙織を道場に入れたのは」
「それでやらせてみたらね」
「空手がすぐに好きになって」
「それでよね」
「今に至るからな」
だからだとだ、父は妻に話した。
「そう思うとな」
「沙織もね」
「空手やらせてよかったな」
「そうよね」
「あれか。人はまずはじめてな」
「それを続けていってね」
「それでな」
そのうえでというのだ。
「成長していくんだな」
「そうよね」
「ああ、だからな」
それでとだ、父は自分の妻に応えてさらに言った。
「沙織に空手やらせてよかったし」
「ちなみにもバイオリンやらせてね」
「よかったな、二人共色々なもの学んでいるし」
「ええ、じゃあこれからも」
「二人はそれぞれな」
「やっていってもらいましょう」
「それがいいな」
二人でこう話してだった。
ちなみはあらためてだ、沙織に言った。
「じゃあお姉ちゃんはこれからも空手やるのね」
「多分就職してからもね」
沙織は妹のその問いに答えた。
「そうしていくわ」
「そうなのね」
「それであんたもよね」
「中学に入ってもね。やっぱりね」
「バイオリンやっていくのね」
「先生の教室にずっと言って」
美代子のそこにというのだ。
「やっていくわ、それで高校は弦楽部がある高校にね」
「行くのね」
「それで続けたい」
「頑張りなさいね、じゃあこれからお互いにね」
「やっていきましょう」
「それぞれね」
二人でこう話してだ、そしてだった。
沙織は空手をちなみはバイオリンをそれぞれ励んでいった、二人共そちらでの腕を磨くと共に人間性も学んでいった。両親はそんな娘達を見て二人にそれぞれ空手とバイオリンをやらせてよかったと思った。成長していく彼女達を見て。
やって続けて成長 完
2021・1・11
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