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大阪の竜宮童子

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第一章

                大阪の竜宮童子
 伊藤英子、金髪ロングで肌を黒くした巨乳の女子高生。細い眉で切れ長の気の強そうな顔立ちでグレーの薄いセーターと通っている高校のやはりグレーのスカートを思いきり短くしている少女は通っている八条学園高等部の校舎の屋上で言った。
「何か飛田にすげえ人いるらしいわね」
「凄い人って?」
 山縣奈々肩の長さまでの黒髪で不敵そうな娘でスタイルよし、モデルみたいなスタイル。勝ち気そうな目で細い眉の彼女が応えた、薄いピンクのブラウスと黒の短いスカート黒のネクタイという制服である。
「誰?」
「飛田っていったら」
 今度は桂透が言ってきた、茶色の波がかった髪の毛を胸の高さまで伸ばし左右をバツ印にしたヘアピンで止めている。小柄でやや大きな目で色白で童顔である。青いブラウスと赤のミニスカートと黄色いリボンという制服だ。
「新地じゃない」
「そう、そこにね」
 英子は透に答えた。
「何か物凄い人がいるらしいのよ」
「凄いってそうした人じゃないわよね」
 透は英子に言い返した。
「いや、そうした人だとね」
「会いたくない?」
「あの、女子高生が普通に会うお仕事の人じゃないでしょ」
 透は紙パックの牛乳をストローで飲みつつ言った、三人共昼食のパンを屋上で車座になって食べて飲みものも飲んでいるのだ。
「だからね」
「そうよね、風俗でしょ」 
 擁するにとだ、奈々も言った。奈々はクリームパンを食べている。
「流石にそうした人とはね」
「会うのはね」
「どうかってなるわよ」
「せめて大学生になってからでしょ、お話聞くのは」
「高校生じゃね」
「いや、飛田でも新地じゃないから」
 英子はそこは断った、右手にはハムサンドがある。
「そうしたお仕事の人でもないみたいよ」
「違うの」
「そうした人じゃないの」
「昔からそこに住んでいるお婆さんで」
 そうした人でというのだ。
「お金儲けが物凄く上手らしいのよ」
「えっ、お金!?」
「お金なの」
 奈々も透も英子のその言葉に目を輝かせた、思わず瞳の中に円のマークさえ出ている。
「お金儲けが上手って」
「それはいいわね」
「だからそのお話を聞いて」
 それでとだ、英子は友人達に話した。
「将来私達もね」
「お金儲けね」
「それをすることね」
「そうしましょう、じゃあ今度ね」
「飛田ね」
「そこに行くのね」
「ここ神戸だけれど」
 八条学園は神戸にある、三人共この学校に高等部から通っている。
「私達家は大阪だしね」
「丁度いいわね」
「じゃあ飛田ね」
「そこに行くのね」
「今度そうするのね」
「そうしよう、それで行く日と集まる場所は」
 そこの話もした、そしてだった。
 三人はその話もしていった、そのうえである休日にそれぞれ私服で飛田新地の最寄りの駅前に集まったが。
 三人共だった、その恰好は。
「あれっ、透地味じゃない?」
「奈々あまり派手じゃないわよ」
「英子だって」 
 見れば英子はジーンズにブラウスといったもので奈々は白の膝までのワンピース透は膝までのズボンにティーシャツといったものだ。三人共アクセサリーはなく英子のシューズも奈々の鞄も透の帽子も地味で服の色も地味だ。 
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