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【自作イラスト追加しました】ちゃちゃっと絵を描く能力で世界最強!~追放されたい俺を女神さまが放してくれない~

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貴重な材料を使ったアイテムが量産されました

 結局あの貴族はもう少しダンジョンを散策してから地上に出るらしい。俺たちと一緒に地上に出るのは嫌だそうだ。
 そして俺たちは先にダンジョンから出ることに。
 途中、ちょっとした素材? を集めながら外に向かう。

 やがて外の明かりが見える出口付近に来たので、敵もいるだろうし、じゃあ準備するかとメモ帳を取り出したところ、クレアが、

「右に10体、左に15体、一般の冒険者無し」
「分かったわ、こちらで準備する。複数人攻撃ね」
「わ、私もお手伝いします」

 といったようなクレア、リセ、マナの三人がそう言って走り出した。
 つまりは俺の出番がない。
 だから俺は【役立たずである】。

 この三人に後は任せておれは逃げだしても十分大丈夫そうだなと一人納得しながら歩いていくと、爆音などが数秒して、振動を感じる。
 やがて俺が歩いてダンジョンの外に出た所で全てが終わったらしい。
 そこには誰もいなかったし何もいなかった。

「全部倒したのか?」
「ええ、これくらいはね。ちょっとした運動にはなったかしら」

 そうクレアが言ってリセもマナも頷いている。
 やはり俺がいなくてもこの三人ならきっと何とかなる。
 俺は安心して姿を消し、悠々自適なスローライフをしても大丈夫そうだ、と俺は思っているとリセが、

「やっぱり好きにやってても後々、温存できている能力者がいるおかげで、気が楽だわ。後はもし何かあれば全部【お任せ】出来るし」
「そうね。一番協力そうな能力も持っているし」
「確かに、リョウが見守ってくれているので私達も気軽に魔法が使えますね」

 と、クレア、リセに続いてマナまでそう言っている。
 何もしなくてもそこにいるだけでも価値がある状態になっていないか? 俺。
 それっていなくてもいいって意味にならないような、つまりここに滞在……。

 なんで逃げられない状況になっているんだ? 俺、と思いながらその場を後にして、町に着くまでに他の敵とは遭遇しなかったのだった。








 町に戻ってきた俺たちはさっそくギルドにやってきて、そこにいるコジローに転移先に魔王の配下が待ち伏せしている旨を伝えた。
 するとコジローが、

「その話はギルドマスターに伝えておいた方が良いかな。あそこはギルドの管轄だし人員も送っているからそこに入り込まれている事にもなるから」

 と言って、ちょうど初心者どうこうして、説明をし終わったらしいダイトという俺がギルドに来て因縁をつけるふりをした人にコジローが、

「マスター、ちょっとお話が」
「ん? コジロー、どうした?」

 といった会話からこの人がギルドマスターというかボスだったのかと思った。
 そして何やら話してから、

「そういえば最近やけに複数人が、転移場所の管理をやりたがっていたな。サボりたいのかとも思ったが、そうか。ではこれから抜き打ち確認に行くか。所で【洗脳系解除】の魔法が使える能力者はいるか?」

 それにリセが、

「私も出来るわ。普通に状態異常回復で、洗脳系は何とかなったはず。解除した後気絶、となると私の固有魔法(チート)の方になるかしら」

 と答えてマナも、

「状態異常の回復は私も出来ます」

 と二人が答える。
 俺もそういった魔法も使えるが、それらは筋トレが必要だし、魔法陣を使ったものでもできるにはできるが……現在の状況を鑑みるに、できれば俺は【無能】という事にして放っておいて欲しい気持ちが占めたので黙っていた。と、

「まあ転移者系の能力者が二人くらいくるみたいだからそれでいい。ステータス・オープンで洗脳状態かどうかの確認もしたいから、それもやってくれ」
「分かったわ」
「分かりました」

 そう言って二人を連れ、転移者が転移する場所に向かう彼らを見送ってから、そういえば俺、する事もあったなと思い出して、

「コジロー、ちょっと聞きたいんだが、ダンジョンに入ると地図を【全部】表示……近くに立体映像(ホログラフィ)として表示するアイテムてないか? できれば一度来た事のないダンジョンでも表示される奴」
「……それには、採取物とか、モンスターその他も表示したりしなかったりする機能って、つけたい?」
「できれば」

 むしろそっちの方がお得なのでは、と思って告げると、コジローは何やらむ~む~うなってから、

「一部特殊な材料が必要かな。ペンダントトップ状のアイテム……【青空石】【星移りの石】【大洋中の影石】【青い輝きキノコ】【鈴雨の花草】【猫星草】だね。【猫星草】以外は全部レアな素材だけれど、持っていたりする? 結構異世界転移者は変なものを見つけてくるらしいし」
「……うん、以前見た図鑑関係と一致した。今日行った結晶洞窟で採取した物であった記憶がある」
「あ、運がいいね。でも量がいるみたいだ」
「どれくらいだ?」

 とりあえず俺が持っている物を出してみると一部足りない。
 だから一緒にいるクレアにも持っていないか聞くと、ちょうど持っていたらしくそれを使いしてもらう。
 それらの材料を見て、コジローが、

「これで大体一個」
「貴重な材料をこれだけ使って、一個か…」

 俺はちょっとがっかりする。
 素材だけ売っても相当の日数、お金の心配をせずに暮らせる量ではあったが、それでも一個だ。
 ただ今後の事を考えるとあると便利なアイテムではある。

 命には代えられない。
 安全性を考えるなら持っているに越したことは無い。
 そこでコジローが、

「【運がいいと】、複数個になるんだ」
「え? 同じ材料で?」
「うん。なんでもとても【効率化】した状態での精製が起こるらしい。初めは大量の材料を使っていても、後々改良すると少量の物で作れるようになる……そういったものが起きているんじゃないかって」
「初めから改良版の方で出来ないのか?」
「う~ん、もしかしたら僕が知っているゲームに準ずるようにある程度されているのかもしれない。ほら、固有魔法(チート)も含めて、僕達の【意思】や【知識】が魔法に影響されているようだし」

 との事だった。
 もっともよく分からないが。
 女神さま相手に聞いても答えが分かるとは限らない。

 何しろ異世界転移者は女神さま達からしても【予想外】の変わった能力であるらしいのだから。
 そんなこんなでコジローの固有魔法(チート)を使ってもらい、6個ほど目的物が出来た。

「今までで一番沢山できたね。完全に予想外だ」
「こんなに……全員分あるし、一つはコジローに渡してもしもの時は手伝ってもらえるようにするか? それでいいかクレア」
「ええ」

 クレアの了承を得たので俺はコジローに、

「受け取ってもらっていいか?」
「それは良いけれど。こんないい魔道具が手に入るならもちろんもらうよ。ただ僕、冒険はあわないみたいで」
「うん、ゲームみたいに上手くはいかないというか怪我したりする現場を割りと見るから。それに初めて潜ったダンジョンで気軽なハイキングの予定が、けっこう危険な魔物に遭遇したりもして、冒険自体はそんなに魅力を感じないかな」
「そうなのか。俺は……そこそこ大変だったけど、冒険自体はまだ興味があるな」
「それならいいかもしれない。それに前にあげた【救急缶】の関係で僕も様子を見に行くし」
「そういえばあれって、緊急時の連絡が出来るものなのか?」
「うん、色々なものを空間的に拡張して収納する袋とか籠とかそういったものがゲームにはあるでしょう? 装備できるのは一つだけとか一つしか出ないゲームもあるけれど、そういったものを装備は出来ないけれど作るのは可能なゲームもある」
「確かに一個しか主人公が装備できなかったり、主人公専用装備だったりしていた気がする」
「そうそう。それでアイテム自体はいくらでも作れるみたいで、それを応用して、一つの袋に空間的に全てが接続する【缶】を作ったんだ。持ち運びにちょうどいいサイズで、袋と空間的につながっているから、その缶の大きさ分の食料や薬なども送れてしかも缶の場所もある程度分かるようにして、事故などがあった時の【救難信号】を出すような感じの物。一応一個、10聖金貨する高級品なんだよ」
「高級品だな。貰っていいのか?」
「元手が実はそれほどかかっていないからね。かといって気楽に悪戯に使われても困るからその値段なんだ」

 といった話をしていると、リセやマナ達が帰ってきたのだった。 
 

 
後書き
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