| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

フォース・オブ・イマジナリー

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

Turn:44 あれからの日々

 
前書き
ファイトの果てに通じ合った心
新たな友情とともに変わっていったファイターたちの日々
これはそんな小さな日常のお話 

 
カードキャピタル2号店では今日もファイターたちが楽しい日常を過ごしていた
これはそんな日常のほんのひと時のお話
「だー、強くなったと思ったんだけどなぁ」
「タクヤさんどうしたの?」
頭を抱えるタクヤに後ろから声をかけるルカ

Turn:44 あれからの日々

「あー、いや、何度やっても矢代に勝てなくてさ」
「まあ、プロテクトだし、リアガード退却されても強力なスキルを持ったヴァンガードだけで戦えるデッキだし」
「へえ、ルカちゃんしっかり見てるんだ」
まとめ終わったデッキを手に取りながら感心するヒトミ
「うん、ヒカルも攻略法掴めなくて頭抱えてたよ」
「ああ、やっぱりリベンジ狙ってるんだ」
苦笑して肩を落とすヒトミ
「(でもよかった、しょっちゅうこっちにいるけど、ちゃんとヒカルちゃんたちとも仲良く………)」

翌日もルカとヤイバがファイトしていて
更にその次の日にはタクヤの特訓に付き合ってるルカの姿を見かける
「(ちゃんと仲良くしてるんだよね?)」
毎日のようにこちらにいるルカの交友関係がちょっと心配になったヒトミだった
後日何気なく聞いたら学校で同じクラスなので休み時間などに話しているそう
でもたまには一緒に遊んであげてと思うヒトミだった

休み前ということもありこの日ルカはヤイバの家で一泊することとなった
「ただいまぁ~」
元気よく玄関に上がるルカ
だが今日はもう帰ってきていると連絡があったはずのチカゲから返事がない
「あれぇ?お兄ちゃん、お母さんの部屋は?」
「っと、そこの………あ」
ヤイバが案内しようとすると部屋のドアが開いていることに気づく
「お袋………っと」
中にいたチカゲは電話で話している最中だった
慌てて引っ込もうとするヤイバ
「うん、ちょうど帰ってきたみたい………大丈夫よ、もうあの子たちも立派に………もう、心配性なんだから、うん、私も大丈夫」
「お母さん誰と話してるんだろう?」
「うーん、話し方からしてマモルさんじゃなさそうだし………」
電話の相手が気になる様子のヤイバとルカ
「てか、お袋のあんな顔俺見たことないかも」
「えー、お兄ちゃん一緒に住んでるのに?」
「ヤイバ、ちょっと来なさい」
部屋の中のチカゲが手招きして2人も部屋に入る
電話はまだ続いているようだが
「あんたも声聞かせてやんなさいよ、はい、交代」
そう言ってスマホをヤイバに差し出すチカゲ
「声をって………お袋一体誰と話してたんだよ」
「察しの悪い子ねぇ、あんたらのお父さん、ルカが今日こっちに泊まるからって、ほら、繋がったままなんだから早く」
「お、おう、つっても何話せば………」
「ヴァンガードのことでいいんじゃない?お父さんも大好きだし」
「あー、もしもし」
チカゲからスマホを受け取ったヤイバが戸惑いながらも電話に出る
チカゲはそんなヤイバの背中を見ながら嬉しそうに笑っていたが
「あれ?お母さんなんで顔赤いの?」
「っ!?こら!ルカはまだ知らなくていいの!」

夕食を終え一足先にお風呂に入ったチカゲとルカはお風呂上りに2人でファイトしていた
「シュバルツシルト・ドラゴンでアタック」
「………だめだぁ、ここノーガードするしかないなぁ」
「ツインドライブ」
「クリティカル出なければ………」
「ざんねーん、クリティカルトリガー」
「あーっ!」
結局ダメージチェックでヒールトリガーは出ずファイトはルカの勝利となった
「ルカ!もう一回!」
「いいよー、今度も負けないから」
こうしてルカと笑ってファイト出来る嬉しさから口元を緩めるチカゲ
「今度は私が勝つわよ!スタンドアップ!」
「ヴァンガード!」

「あ、2人ファイトしてたのか?」
「まーね」
「うぅ、また負けた~」
チカゲがテーブルに突っ伏す一方ルカはカバンを探っていた
「あったあった、次はこれ使ってみよーっと」
「ん?なんだそのデッキ?」
「前に使ってたエンジェルフェザー!せっかくだから持ってきてたんだ~」
「見ていいか?」
「いいよ」
ルカからデッキを受け取って中身を確認するヤイバ
「ハスデアに………アラバキにメタトロンと………お、ザラキエル」
「ルカが今でもそれ使ってたらアンタら二人そろってユナイテッドサンクチュアリのデッキだったわけか」
「お、確かに」
「いいかも、今度これで大会出てみようかなぁ」
デッキを返してもらいながらルンルン気分のルカ

学校帰りにショップに向かうヤイバとヒトミ
「おにいちゃーん!」
「おー、ルカ」
「(本当にいつでも居るなぁ………)」
途中合流したルカとカードキャピタルへと向かうことになるが
「っていうか今日は二人なんだね、シュンさんは?」
「あいつなんか用事があるってさっさと帰ってったんだ」
「………あれ?あれシュン君じゃない?」
少し離れたお店で飲み物を買っているシュンの姿を見つけるヒトミ
「本当だ、制服のまま何してんだあいつ」
「家には戻ってない………ん?あれって」
少し目線をそらしたヒトミが見つけたのは学生服を着たツムギの姿だった
「用事って………何してんだあいつ、なんで日下ツムギと?」
「静かにして、見つかるでしょ」
「っていうかお兄ちゃん鈍すぎ」
近くの電柱に隠れて様子を窺うヒトミとルカに肩を落とすヤイバ
「お前らが一番なにしてんだよ」

しばらく二人の後をつけるヒトミ達と巻き込まれる形となったヤイバ
「どこに行くのかな………」
にやにやとしながらシュンたちの行き先を気にするヒトミ
「なあ、俺帰っていいか?」
「もお!お兄ちゃんノリ悪いよ」
「ルカちゃん、見つかるから本当に静かにして」
「………待てよ、この方角って?」

ドラゴンエンパイア支部へと二人が入っていく姿を見届けるとヒトミはずっこけた
「なんだ、行き先ってドラエン支部だったんだ」
「まあ、シュン君らしいと言えばらしいけどね」
「満足したなら………」
「あれ、ヤイバたちこんなところで何してるの」
ちょうど仕事中だったらしいチカゲに声をかけられたヤイバたち
「ああ、ショップに行くはずがなぜか………ちょうどいいや、中のファイトスペース今空いてる?」
「多分空いてるんじゃない?あそこ混むなら休日だし」
「え?でもシュン君たちいるんじゃ………」
「いたらなんか都合悪い事でもあんのかよ、ほら、時間なくなるぞ」
頭を抱えながら中に入っていくヤイバたち

ファイトスペースでルカとヒトミがファイトしているのをヤイバが観戦していた
「はぁ~、せっかくいいものが見られると思ったのに」
「ふふっ、ヒトミさんこういうの好きだったんですね、私は単純におもしろそうだと思っただけですけど」
ヒトミのアタックをルカがガードしたところでヒトミがため息を零す
「だって本の中でしか見たことないような光景だし、それに普段クールなシュン君のそういう姿って貴重だし」
「ほう………それでずっとつけていたわけか」
キラキラした空気を纏いながら語るヒトミの言葉に割り込む声
「そう、それで………あれ?今の声って」
ヒトミが振り返ってみると不思議そうにしているツムギとその隣で青筋を立てているシュンの姿
「え!?い、いつから!?」
「ここには今来たところだが、つけていたことは最初から気づいていた」
「あ、アハハ………えっと、シュン君………」
「そこのベンチに座れ、三人ともだ」
「俺もかよ!」
この後三人纏めてお説教される羽目となった

「ところで、私たちより先に入った二人が後から来た理由について詳しく………」
お説教の後ツムギにこっそり聞こうとするヒトミだったが
「ヒトミ、どうやらお前はお説教が足りないらしいな」
「ヒェッ!?」
この件に関してはそのまま迷宮入りとなった

「なんで怒られなきゃいけないんだよ………大体、2人が会ってるとこみられてなんか不都合なことあんのか?」
「えー?それ聞いちゃうの?」
ヤイバとツムギはそんな話をしていた
「ファイトするためにここ来ただけだろ?」
「え~?」
真顔で言い切るヤイバに肩を落とすツムギ
「(ヒトミちゃん、ガンバ)」

ヤイバたち3人がカードキャピタルへとやって来ると
「あ、こんにちは」
この日はヒカルの姿もあった
「おう、今日は一人………ってわけでもないよな、ルカは?」
「奥でファイトしていますよ」
ヒカルに言われてファイトスペースの方を見ると見慣れない少年とファイトするルカの姿があった
「シュバルツシルト・ドラゴンでマガツストームにアタック」
「ぉぉ~、リアガードが足りねぇ~」
「へっへーん、残念でしたー」

「ずいぶん楽しそうだけど、ルカの友達?」
「前に言ってた男の子です」
「えっ?仲間に入れてもらおうとして揉めた?」
2人の様子からはそんなこととても感じられなかった
「………もうちょっと見てるか」 
 

 
後書き
次回予告
「おにいちゃーん!ファイトしよう!」
「この光景も見慣れてきたなぁ」
「学校でも結構な頻度でお兄さんの話を聞かされてます………」
「お前も大変だな………」

turn:45 探求の果て

「そういえばルカ、お前親父とはファイトしてんのか?」
「ぜーんぜん」
「ヤイバ君のお父さん可哀想………会ったことないけど」 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧