【自作イラスト追加しました】ちゃちゃっと絵を描く能力で世界最強!~追放されたい俺を女神さまが放してくれない~
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ダンジョンと固有魔法(チート)と応用魔法
ダンジョンの入り口付近で、名前などの記入を行っていく。
どういった人達が入っているのかとか、迷ったりした場合に捜索隊を出す目的もあるらしい。
もちろんダンジョンから出た後はここにダンジョンを出ましたといった記載も必要になってくる。
ここはそこまで危険なダンジョンではないが、それでも危険な魔物などがいるために、訓練等されていない子供含めて一般人がこういった所に【遊び】に来るのを防ぐ狙いもあるらしい。
また、ダンジョン無いという目の届かない場所での犯罪行為のチェックというのもあるそうだ。
因みに危度が高いダンジョンだと一般人はその魔力というか狂気に当てられて中に入る事が出来ないらしい。
余談ではあるが、異世界転移者はこういった危険なダンジョンでも何も感じないのが普通なのだそうだ。
そのあたり【も】異世界転移者は、【変】らしい。
そう説明を思い出しながらダンジョン内に入る。
外と違ったひんやりとした空気。
それと魔力の密度が濃い事が分かる。
と、そこでクレアが、
「やっぱり初心者用のダンジョンとはいえ、魔力密度の濃さと【危険】を感じるわ。ダンジョン内は外の世界と【異空間】化しているって話だけれど、本当ね」
「……すまん、全然分からない。ちょっと涼しくて魔力が濃くなったかな、くらいか?」
「同じく」
クレアの言葉に俺とリセがそう返すと、クレアががっかりして、
「私だけが怖がっているみたいじゃない。はあ……」
「そういえば、外の世界と【異空間】化していると言っていたけれど、どういった理由なんだ?」
なんとなく気になった内容を聞いてみるとそれに脱力しているクレアが、
「外の環境とダンジョン内の環境を変えることによって、外にダンジョン内の魔物が出ても被害が広がらないようにしているらしいわ。もっともたまに出てきたり、魔王の力で外の環境にある程度適応できる形にして放出されたり、利用されたりしているというのは聞いた事があるわね。ただ、魔王の力の介入でダンジョン愛の魔物は見た目が何らかの形で変わるらしいんだけれど」
「見た目が変わる……魔王の力で似せたりは出来ないのか? そうすると見分けはつかなくなりそうだってずっと思っていたんだが」
「幻術関係なり服装なり隠す方法はいくらでもあるから。そもそも魔王の力自体が特別なものだから、それの影響下になるとどうしても【違う】部分が出る。例えばパイを作るとして、リンゴとパイナポー、それぞれ違うものを使っているなら、【違うパイ】にしかならないでしょう?」
「そういう感じなのか。なるほど。……リセ、どうしたんだ? 地図を見比べて」
そこで先ほどから地図とにら目っこしているリセに声をかけると、
「イベントシーンの場所は覚えているんだけれど何処だったかと思って」
「ゲームだと地図が端っこの方に表示されていなかったか? だからやろうと思えば表示できるのでは?」
「大抵一度通った場所が表示でしょう? 入る前に全体の地図が表示されるのは……そういうたぐいのゲームの影響を受けているなら表示されているけれど、最近私がやったゲームではなかったわ。そっちは?」
「同じく。あ、でも地図みせてくれ」
そう言ってリセから地図を貸してもらい、俺自身の固有魔法を使う。
それを使うと地図に三つほどの赤い光が浮かび上がった。
「多分この辺だな」
「……何で表示されているの?」
リセが眉を寄せて聞いてくるので俺は、
「地図も【絵の一種】と考えられるし、高さや距離なども、【絵】を描くのに必要だ。背の高い大きな杉の木と同じくらいの高さの人間を、普通の人間として描くとおかしくなる、みたいな感じか。そういった付随効果? の【測量】の効果を利用して表示してみた」
「……【アイデア】ね。なるほど、そういった付随効果も固有魔法では利用が出来るのね。私ももう少し自分の固有魔法を見直してみようかしら」
リセが表示した地図をのぞき込みながら、現在地はここだからイベントがあるのはもう少し先ね、と呟いている。
そして俺は、この地図表示をさらに詳しくして、欲しいものや採取したいものを描いたりできないだろうか? と考える。
例えば今回の【猫星草】の群生地などだ。
そう思って試しに固有魔法を使うと、その道らしき場所に線がひかれ、同時にこの【猫星草】の絵が描かれる。
以前一度だけ見た事があるが、形が同じなのでこれだろう。だから、
「ここに依頼の品があるらしい」
「イベント場所はその先だから、先に依頼の品を集める形ね」
「分かった」
そう会話しているとクレアが先ほどから黙ってこちらを見ている。
どうしたのだろうと思っていると、
「噂には聞いていたけれど、異世界人て本当に【出鱈目】だわ。訳が分からない」
「と思うだろう? でも女神さまが言うには、俺たちや【現在】のこの世界の人達にとっては『よく分からないけれど、なんでかできるが固有魔法』だが、『実際に魔法として機能をしているから、【可能】で、ただ、技術が【まだ】この世界が追い付いていないから、【分からない】だけ』だそうだ」
「そんな、と言いたいところだけれど、女神さまが言うならそういう事なのかな?」
「固有魔法自体が、複雑な過程を一気に進めて【魔法】を顕在化させていて、異世界人自体が【魔道具】のような役目をしている、とかなんとか。だからその人個人の【才能】の部分が大きいらしい。それに、能力が凄くても【アイデア】が無いと応用するのも難しいから、使える形に応用する能力も重要になってくるらしい」
「……私も自分の魔法をどう【応用】するかもっと考えてみようかしら。貴方を見ていると、もっと私も色々な事が出来そうな気がするわ」
そうクレアが返してきた所で、オオカミのような鳴き声が聞こえたのだった。
後書き
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