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オズのジンジャー将軍

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第三幕その五

「やっぱりお鼻なんだよね」
「そうだよね」
「お鼻が兎に角いいからね」
「それで将軍達が何処にいてもわかるね」
「それもよく」
「少なくとも農園の中におられたら」
 杏仁も言ってきました。
「何処でもすぐにわかりますね」
「犬のお鼻って凄いとは聞いていたけれど」
 カルロスが驚きの声を出しました。
「そこまでなんだね」
「そうなんです」
 杏仁はカルロスに答えました。
「この農園の中々どんな匂いでもわかります」
「それで将軍達にだね」
「すぐにお伝えします」
「そうなんだね」
「はい、あとです」
「あと?」
「この農園は広いですが」 
 杏仁はこうもお話しました。
「境もあるんですよ」
「あっ、遠くに高い柵が見えるよ」
 臆病ライオンは木々の先にそれを見ました。
「青い木で造られたね」
「やっぱりマンチキンだから青ね」
 アン王女はその色に注目しました。
「やっぱり」
「そうだよね」
「私の国だとウィンキーにあるから」
「黄色だよね」
「そうなの」
 その色になっているというのです。
「やっぱりね」
「そうだね」
「ええ、けれどマンチキンならね」
「やっぱり青だよね」
「実際に足下の草も木の葉もね」
「全部青でね」
「幹や枝もそうだし」
 そちらもというのです。
「まさに全部がね」
「青だね」
「そうしたお国だから」
 それ故にというのです。
「将軍のお家の柵もだね」
「青なのよね」
「そうだね」
「その青がいいんですよね」
 レモンはマンチキンの青について笑顔で言いました。
「本当に」
「そうよね」
「僕も好きでして」
「それでなのね」
「いつもその中にいられて」
 青い色に包まれてというのです。
「幸せです」
「そこまで好きなのね」
「はい、青が」
 この色がというのです。
「本当に」
「そうよね、ただね」
「ただ?」
「オズの国は本当に国によって色があるから」
「マンチキンなら青で、ですね」
「私のお国があるウィンキーなら黄色でね」
 それでというのです。
「カドリングは赤でね」
「ギリキンは紫、エメラルドの都は緑ですね」
「そうなのよ」   
 そうした色になっているというのです。
「だからお国によってね」
「色は違いますね」
「そうなのよ」
「私達はマンチキンで生まれ育っていますから」
 ビスケットが言ってきました。 
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