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ドッグフードを口に

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第一章

               ドッグフードを口に
 アメリカテキサス州をハリケーンが襲った、それで多くの者が避難し。
 その中にはティエル=ドッケンズ、アフリカ系でバスケットボーラーの様に痩せた長身で黒髪をアフロにしている彼もいたが。
 彼は避難先で周りにぼやいた。
「仕方ないけれどな」
「早く帰りたいよな」
「家にな」
「そうしたいな」
「全くだ、仕事にも行けないし」
 職場も今はオフィスが災害に遭っている、それでだ。
「暇潰しにSNSやるのもだよ」
「飽きるよな」
「もうずっとだとな」
「流石に」
「そんなことするより」 
 それよりもというのだ。
「やっぱり働きたいな」
「普段は嫌々でもな」
「いざこうなると思うよな」
「何もすることないと」
「そう思うよな」
「早く家に帰って働きたいぜ」
 こう言ってぼやきつつだ、ツイッターやフェイスブックを更新していたが。
 これまた暇潰しで近所の友人達と街を歩いていた、災害の混乱のどさくさ紛れで略奪を働く者がいるのでそうした連中を見張る為に自主的なパトロールも兼ねていた。
 そうしつつだ、仲間達と共に話していた。
「悪い奴いないな」
「ああ、この辺りにはな」
「やっぱりこうした時出て来るからな」
「略奪を働く奴が」
「どうしてもな」
「それでも出ないならな」
 それならとだ、ドッケンズは友人達に話した。
「それに越したことはないな」
「全くだな」
「このまま家に戻れたらいいな」
「それにはあと少しだな」
「復興も進んでいるし」
「それじゃあな」
 こうした話をしながら見回っていた、その中で。
 ドッケンズは一匹の犬を見た、その犬は」
 シェパードだった、そのシェパードは何かを咥えて歩いていた、ドッケンズはその犬を見て言った。
「あの犬は」
「おい、知ってるのか?」
「あの犬知ってるのか?」
「オーティスだ」
 犬の名前を言った。 
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