本町絢 外伝 絢と僕の留メ具の掛け違い・・そして 結末
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私は迷っていた。このままじゃー、来年には遠くへ行っちゃうし、それっきり、私のことなんか忘れてしまうかも。一緒の大学を受けるなんて、絶対に許してもらえるわけないし。それに、私一人暮らしなんてやっていく自信ない。今までお母さんに何でもやってもらっていたから。
でも、離れるのは嫌だ。後で、後悔するのは、もっと嫌だ。かといって、モト君はもう私のことなんかどうでも良くなっているかも知れないし、もう彼女だって居るかも。
やっぱり、自分を信じて思うようにやってみよう。モト君がどう思っていても、私にとっては、初恋の王子様だから、モト君。側に居て追いかけていたい、ずーと。踏み出さなきゃー・・。
美術の坂口先生に相談することにした。先生は教育大の出身で、今の学校に来て5年目だ。私が入学してから、美術部の顧問もしているから、展覧会に出品する時もいろいろとアドバイスしてくれていたから、私は先生を信頼している。
「先生、私、〇〇大の教育美術を受けようと思ってるんですけど、どうなんだろう」
「えっ、絢ちゃん英語得意だし、外大に行くんだと思ってた。先生になるの? どうして〇〇。」
「私、小学生の時、勉強興味なくて、みんなから相手されなかったんだけど、絵を描くことで希望を持てたし、集中することが身に着いたと思う。だから、同じような子供がいたら、教えてゆきたいんです。〇〇大は無理かな」
「ううん、あなたの成績なら充分だけど、先生目指すんなら、この辺りの教育大でも安全圏だと思うよ」
「私、夢があるんです。その為には、二つの目標を超えないと叶えられないんです。それは、あの大学でないと」
「そう、わかった。でも、多分、あそこだと募集人数が数人だと思うの、難しいかもね。調べて見るけど。実技の傾向も」
「それでも、頑張ります。」
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