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犬は最高のお母さん

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第二章

 ずっと四匹の傍にいて彼等の親であった、一家はそんなローリン達を見て目を細めさせていた。その彼等の知り合いでシェリー=スティーブというやはり農場を夫と共に経営している中年の女性がゴリー家に来た、灰色の髪と目が印象的だ。
 一緒にジャーマンシェパードと鹿がいた、シェリーは夫婦にその犬と鹿を見せつつ話した。まずは犬を見て紹介した。
「サージ、女の子よ」
「ワン」
「男の子でソバっていうの」
「ヒン」
「鹿なのね」
 アンドレアはソバと呼ばれたまだ子供の鹿を見て言った。
「元々野生だったのかしら」
「ええ、けれどこの前うちの畑で弱っていたから助けたの」
「そうしたのね」
「そうしたらこの娘が付きっきりになってね」
 今度はサージを見て話した。
「私も主人もそれならってなって」
「それでなのね」
「今も一緒になのね」
「暮らしているの。ソバには畑の草を食べてもらってるわ」
「除草役ね。うちの子達もそうなっているわ」
 山羊達も今ではというのだ。
「お陰で助かってるわ」
「細かいところはね」
「そう、それで種族は違うのね」
「その娘が優しくしてるのね」
「そうなの」
 再びサージを見て話した。
「犬ってそうした子もいるのね」
「種族が違っても育てて優しく出来る」
「そうした子がね。そちらのお話聞いて思ったわ」」
 実際にというのだ。
「ソバが来た時は赤ちゃんだったけれど」
「それでもよね」
「サージが育てているの」
「うちもよ。この子がそうしてくれてるの」
「ワン」
 ローリンが鳴いて応えた、その後ろには山羊達がいる。アンドレアはその彼等を見ながらシェリーに話した。
「立派な娘よ」
「うちの娘もよ。だからこれからもよね」
「この子達と一緒にいるわ」
「うちもよ。お互いにそうしていきましょう」
「ええ、そしてよね」
「この娘達から愛情を教えてもらいましょう」
「本物の愛情がどんなものかね」
 二人で笑顔で話してだった、それぞれの家族の話をさらにしていった。それはとても心温まるものだった。


犬は最高のお母さん   完


                2021・5・19 
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