レーヴァティン
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第二百三話 騎士団と王国その十三
「そっちの話だな」
「そう、スポーツならね」
「激戦とか死闘であってこそな」
「面白いわ」
「観る方にとってはな」
「そして試合をする方も」
選手達もというのだ、実際に行うのは彼等であり彼等こそが主役であることは言うまでもないことである。
「そうした試合であってこそね」
「やりがいがあってな」
「面白いわ」
「そうだよな」
「けれど戦はね」
「損害なんかな」
「出さない方がいいわ」
双葉は言い切った。
「本当に」
「ああ、だからだな」
「今回の戦でもね」
「干戈を交えるなら」
「出来るだけ損害を出さないことよ」
「それで相手もな」
「戦の後は自分達の勢力になるのよ」
帝国に組み入れてというのだ。
「そしてね」
「俺達の民、産業、兵になるからな」
「それならよ」
「出来るだけ損害がない方がいいな」
「そうよね」
「特に民と産業はな」
「田畑も街も工場も港もね」
「壊したらな」
それこそというのだ。
「元も子もないからな」
「戦をするならよ」
「本当にな」
まさにというのだ。
「それが第一だよ」
「その通りよ、だから敵の弱点を衝いて」
「敵味方両方損害を出さない様にしてな」
「圧勝することよ」
「それが第一だな」
「そういうことを考えながらね」
「戦っていくか」
久志は笑顔で言ってだ、そしてだった。
久志は仲間達とさらに話していった、地図は開かれたままだった。
第二百三話 完
2021・3・23
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