本町絢 外伝 絢と僕の留メ具の掛け違い・・そして 結末
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2-⑽
中間テストまで、私にはあまり時間が無かった。担任の植田先生が、もう成績順の席替えは止めますって言っていたけど、私にはどうでもよかった。後ろの席からモト君が見守ってくれているから・・と信じている。
テストは2日間で終わって、その週の金曜日に成績順位が先生の机の横に貼りだされた。4番モト君、5番私。追いついたモト君に。嬉しい。だけど、2番がいづみチヤンだった。彼女はやっぱりすごいのかしら。私なんかより、もっと勉強しているんだ。でも、私、苦手の算数の取りこぼしが無ければ追い越せるかもって、思い直した。
お昼休みに先生から、話があるからって、職員室に呼ばれた。何の話かドキドキしながら入ってゆくと
「絢ちゃん、本当に勉強頑張っているわね、学年の先生たちもみんな感心しているわょ。」
「お話っていうのはね、夏休みの宿題で描いてきた絢ちゃんの絵。市のコンクールに出しといたの だけど、最優秀章になりますって連絡がきたの。展示の後は、市民会館のロビーにしばらく飾りたいって。そのことを聞いて、「旭屋」さんがお店の包装紙に使いたいって言ってきているの」
困った、どうしよう、どう言えばいいんだろう
「ごめんなさい、先生、全部断ってください。私、あの絵を返してほしいんです」と、おじぎしていた。
「えぇー、そうかー。やっぱり、あの絵には絢ちゃんの想いが詰まっていたんだね。ぬくもりを感じるし、眺めていると盆踊りの歌とか、小さな子供たちのはしゃいでる声が聞こえてくるようで素敵だなって、ごめんなさいね、勝手にコンクールに出してしまって」
「うぅん、それはいいんですけど、私はただ、あの絵を手元に置いておきたんです」
「そーなんだ、わかったわ。校長先生もすごく喜んでいたんだけど、私から説明しておくわ。
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