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オズのジンジャー将軍

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第二幕その二

「君達はオズの国の列車に乗ることははじめてでも」
「楽しい旅になるんだね」
「そのことは間違いないよ」
 絶対にというのです。
「だから楽しみにしておいてね」
「それじゃあね」
「それとね」
「それと?」
「オズの国の列車は凄いから」
「どう凄いのかな」
「全部見えるんだ」
 こう言うのでした。
「窓の外からだけでなく」
「あっ、車両の中からだね」
「そう、三百六十度全て見えるから」 
 だからだというのです。
「凄いよ」
「景色をそこまで楽しめるんだ」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「今からね」
「乗ってだね」
「景色を楽しもうね」
「それじゃあね」
 こうお話してでした、皆列車に乗り込みました。車掌さんは黒い詰襟の制服姿で立派な帽子を被っていました。
 その車掌さんと駅員さん達に案内されて列車に入りますと。
 本当にでした、車両の中は。
「凄いね」
「周りが全部見えるよ」
「お空も完全に観られて」
「それで線路もだから」
「これは凄いわ」
 カルロス達五人は驚いています、その景色を観て。
「流石オズの国ね」
「ただ車窓から観るんじゃないのね」
「三百六十度観られるんだ」
「それも前も後ろも」
「何もかもが」
「オズの国の魔法、科学も錬金術も使ってね」
 かかしが言ってきました。
「それでなんだ」
「三百六十度観られるんですね」
「飛行船や潜水艦でもそうでしたけれど」
「この列車もなんですね」
「そうして観られるんですね」
「そうなんですね」
「そうだよ、じゃあ行こうね」 
 かかしも楽しそうです。
「これから」
「さて、これからジンジャー将軍のところに行くけれど」
 こう言ったのは樵でした。
「それまでは列車の旅を楽しもうね」
「そうしようね、しかしね」 
 臆病ライオンは今自分達がいる車両の中を見回して言いました。
「席がわかるのはいいことだね」
「うん、若し席までわからないと」
「何処に座っていいかわからないからね」
 かかしと樵が応えました。
「見えないと躓いたりもするし」
「危ないからね」
「そうだね、じゃあそれぞれの席に着いて」
 そしてというのです。
「出発を待とうね」
「そうしましょう」
 ドロシーも応えてでした。
 皆はそれぞれの席に着いてそのうえで出発を待ちました、そうして暫く待っていると列車が出発して。
 列車の旅がはじまりました、皆周りを見回しますが。
 カルロスはその中で左側の景色を観て言いました。
「こうして周りを全部観られて」
「楽しいわよね」
「はい」 
 ドロシーにも答えます。 
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