歪んだ世界の中で
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第十一話 テスト勉強その三
「その瞬間が最近妙に気に入っていて」
「ああ、あの時」
「その時を撮りたいと思っています」
こう希望に話したのである。
「スポットを使って」
「そうした写真も面白そうだね」
希望も話を聞いてだ。笑顔でこう言った。
「それじゃあね」
「見て下さいますね」
「うん」
その笑顔でだ。希望は真人に答えた。
「そうさせてもらうよ」
「ではその様に」
「じゃあね」
「それじゃあ?」
「その写真楽しみにしてるから」
今度はこうだ。真人に言ったのだった。
「それじゃあね」
「そうして下さい。では」
「学校に行ってまた」
「楽しく過ごしましょう」
「うん、楽しくね」
希望もだ。楽しいという言葉を出せたのだった。そうして。
二人で登校してそれからは。希望はクラスで千春を待った。
千春は笑顔で登校してきた。そのうえでだ。
希望の前に来てだ。笑顔で言ってきたのだった。
「おはよう、希望」
「おはよう、千春ちゃん」
そしてだ。希望も笑顔で返したのだった。それからだった。
二人になってそれからだ。一緒に話をしたのだった。こうしてホームルームまでの時間を過ごした。
そして昼はだ。希望にだ。
千春がだ。笑顔でこう提案してきた。
「あのね」
「お昼御飯のこと?」
「うん。どうするの?」
「これまではね」
どうだったかというのだ。希望に対して。
「二人で食べてたよね」
「そうだったね。夏休みの間はね」
「けれどこれからはね」
「これからは?」
「三人で食べない?」
笑顔でだ。千春は希望にこう提案した。
「三人でね。一緒に食べない?」
「三人っていうと」
「だから。希望に千春とね」
「それと」
「そう。希望のお友達とね」
「友井君も入れて」
「千春。まだその人に会っていないし」
そのこともあってだ。三人でだというのだ。
「だからね。どうかな」
「そうだね。いいね」
「そうだよね。どちらも希望にとって大切な人なのに」
それでもだとだ。千春は言うのだった。
「顔見知りじゃないってね」
「確かにおかしいね」
「だから。三人一緒に食べよう」
笑顔でだ。また提案する千春だった。
「そうしようね」
「そうしよう。それじゃあね」
「うん、じゃあ」
こう話してだった。希望は千春を連れて真人のクラスに行った。そしてそこでだ。
真人の席のところに来てだ。まずはこう言った。
「この娘がね」
「遠井君の大切な方ですね」
「友井君は別の。もう一人の」
「そうですね。奇麗な方ですね」
千春を見てだ。真人は微笑んで希望に述べた。
「それもかなり。では」
「うん。それでだけれど」
「御飯。一緒に食べよう」
千春からだ。真人にこう告げた。
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