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レーヴァティン

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第二百三話 騎士団と王国その四

「統治の仕組みを整えたからな」
「それで、ですね」
「国も動きますね」
「そうなりますね」
「実際にそちらも整えてきました」
「だからですね」
「ああ、官僚システムだな」
 あえて自分達の世界の言葉でだ、久志は話した。
「それが整えているからな」
「陛下もですね」
「お仕事がその程度で済み」
「そして国全体も動く」
「それも的確に」
「そうだよな、やっぱりな」
 久志はさらに話した。
「官僚ってのは必要だな」
「はい、官吏あってです」
「そのうえで国は動きます」
「そして統治の仕組みがあってです」
「国は動きます」
「そうだよな、一人すげえ奴がいるだけだとな」 
 それがどれだけの英傑でもというのだ。
「それだけだよな」
「ですね、やはり仕組みがありませんと」
「治めるそれが」
「さもないと、ですね」
「国は治まらないですね」
「それをいつも実感するな、俺が戦に出てる時もな」
 久志はこの時のことも話した。
「ちゃんと国は動いてるしな」
「それもやはりです」
「仕組みがあってこそです」
「官吏がいるので」
「だからです」
「ああ、俺達の世界だとよく官僚イコール悪だって言う人いるけれどな」
 それでもというのだ。
「個人の汚職とかはあってもな」
「悪事を犯した者を罰すればいいですね」
「仕組みに問題があればそれを正す」
「そうしていけばいいですね」
「官吏イコール悪というのは」
「流石に暴論では」
「仕組みとか法律とかいらないって奴いるんだよ」
 統治の柱のどちらもというのだ。
「これがな」
「それは国自体否定していませんか」
「官吏を否定するというのは」
「また法についてもです」
「それでは」
「あと軍を否定するしな」
 今度は所謂非武装中立論の話をした。
「そうした連中もいるな」
「国の否定ですね、それは」
「そして民の安全も」
「治める仕組みも法もなく」
「そして軍もなくては」
「国は守れません」
「そうだよな」
 久志も周りの信じられないという顔と言葉に応えた。
「そんな何もない世の中なんてどうなるか」
「無法地帯です」
「そうなります」
「それは恐ろしい世界です」
「力のない者は為されるがままです」
「力、暴力のある者が蹂躙するままで」
「人がモンスターになる世界です」 
 周りも久志に話した。
「そんな世界がいいなぞ」
「愚かにも程があります」
「法も軍も否定するなぞ」
「そして官僚もとなると」
「俺もそう思うさ」
 確信していた、もっと言えば。 
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