イベリス
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第四話 家でこっそりとその七
「そうなるわ」
「そうなのね」
「日本人って全然飲めない人もいるけれどね」
「下戸っていう人ね」
「そう、織田信長さんとかね」
愛は歴史上のこの人物の名前を出した。
「昭和天皇もだったし」
「あの方もなの」
「どうもそうらしいわ」
「そうだったのね」
「それで織田信長さんはね」
愛は再びこの人物のことを話した。
「如何にも飲みそうでしょ」
「それも酒乱でね」
「色々逸話があるから」
「ええ、私もそんなイメージだったわ」
「それはイメージで実は短気でもなかったし」
信長といえばそのイメージがあるが、というのだ。
「悪人は容赦しなかったけれど不要な血は望まなかったの」
「必要なだけ殺してたのね」
「そうよ、処刑も当時としては普通のものだったし」
「そんな人だったのね」
「ええ、それで実は甘党で」
本題の酒の話もした。
「お酒はちょっと飲んでそれ以上はだったそうよ」
「物凄く意外ね」
「そうでしょ、けれど本当にね」
織田信長、彼はというのだ。
「お酒はね」
「飲まなかったの」
「そうよ、あと野球関係だと西本幸雄さんとか野村克也さんとか」
「監督だった人達ね」
「この人達もそうだったらしいわ」
「私お二人共詳しく知らないけれど」
「野村さんヤクルトの監督でしょ」
愛は咲の贔屓のチームがこのチームであることから言った。
「あの人ヤクルトの監督でもあったでしょ」
「いや、その頃のヤクルトその目で観てないから」
「詳しくないの」
「西本さんもね。パリーグ詳しくないし」
「西本さんは阪急や近鉄お監督だった人よ」
「どちらも関西の球団だったわね」
「それぞれのチームを優勝させたのよ」
他には大毎の監督も務め優勝させている。
「怒ったら物凄く怖くてね、鉄拳制裁も出す」
「殴るの」
「そう、それでも有名だったのよ」
「星野さんみたいな人だったの」
「星野さんよりずっと怖かったみたいよ」
西本幸雄という人についてこう話した。
「どうもね」
「そうだったの」
「それでこの人達もね」
「お酒飲めなかったの」
「そうらしいわ」
「それでそれは体質なのね」
「弥生系の人はアルコール分解する酵素か何かがないらしいのよ」
愛はその原因も話した。
「縄文系の人はあるけれど」
「じゃあ信長さんは弥生系の人なのね」
「皇室もその血が強いってことね」
「それで西本さんや野村さんも」
「ええ、けれど咲ちゃんは強いから」
それでというのだ。
「縄文系の血が強いんかもね」
「それでお酒強いの」
「今そう思ったわ」
「そうなのね」
「まあ強くても気をつけてね」
「お酒には」
「そう、飲み過ぎたら身体壊すから」
それでというのだ。
「アルコール中毒とか痛風とか糖尿病とかね」
「怖い病気ばかりね」
「肝臓壊したりね」
「毒なのね」
「お酒はお薬にもなって毒にもなるのよ」
その両方の属性を備えていることも従妹に話した。
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