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レーヴァティン

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第二百二話 命の重さをその九

「俺は戦力になるならな」
「拒まないっちゃな」
「人間でなくともな、そしてだ」
「それにっちゃな」
「命は大事にしたい」
「それもあるっちゃな」
「人間も獣も命がある」
 英雄は言葉を続けた。
「魔物にもな」
「家畜にもっちゃな」
「虫にもな」
 まさにあらゆるものにというのだ。
「そして時として人間の都合でその命を奪う」
「それも人間の生活っちゃな」
「文明のな」
「食べたりもするっちゃ」
「革を使うこともある」
「色々なことで命を奪うっちゃ」
「駆除もする」
 それも行うというのだ。
「時としてな、しかしな」
「それでもっちゃな」
「命は命だ」
 このことは事実だというのだ。
「だからだ」
「獣も魔物もっちゃな」
「その命のことは頭に入れておいてだ」
「退治してっちゃな」
「倒したなら供養もし」
 その魂をというのだ。
「そしてこちらに来るならな」
「受け入れるっちゃな」
「可能な限りな、そして家畜や飼っている犬や猫を粗末にすることもだ」
 こうしたこともというのだ。
「法に定めたが」
「禁じているっちゃな」
「犬や猫を捨てることもな」
 こうしたこともというのだ、実際に英雄は法で犬や猫を許可なく捨てることを禁じこれを犯したなら厳罰でいどんでいる。
「そうしている」
「犬や猫を捨てると野犬や野良猫になってぜよ」
 当季がすぐに言ってきた。
「そうしてぜよ」
「群れを為して人にも危害を及ぼしたりな」
「狂犬病の元にもなるぜよ」
「狂犬病はこの世界にもある」
 英雄はこの病のことも話した。
「そして罹るとな」
「助からんぜよ」
「術や特別な道具、薬で蘇えさせられるが」
「死ぬことは死ぬぜよ」
 このことは事実だというのだ。
「やっぱり」
「だからだ」
「捨て犬は駄目ぜよ」
「捨て猫もな」
「その病の元にもなるからのう」
「街の治安にもよくないしな」
「山にも入るしのう」
 そして群れを為し獣になるのだ、犬と言っても馬鹿に出来ないのだ。
「実はわしの知り合いの人がトイプードルを飼っちょる」
「あの小さな犬か」
「何でもティーカップでドワーフタイプでな」
「小さくて足が短い」
「そうらしいぜよ、色はダークブラウンか」
「アプリコットか」
 英雄はさらに言った。
「その色か」
「おまんよお知っちょるのう」
「親戚で飼っているのがいてよく聞く」
 そのトイプードルのことをというのだ。
「俺もな」
「だから知っちょるか」
「そうだ、その人がか」
「そうぜよ、女の子でのう」
 そのトイプードルはというのだ。 
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