レーヴァティン
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第二百一話 関東から戻りその八
「左様でありますか」
「俺はな、ではこれからな」
「はい、鰻を」
「食おう」
こう話してだった、英雄はその鰻を食べた。鰻丼に蒲焼きそして肝の吸いものだった。そういったものを食べたが。
食べ終わって政に戻った時英雄は仲間達に言った。
「出るのが早かったな」
「それっちゃ」
まさにとだ、愛実は応えた。
「うちも出た時思ったっちゃ」
「鰻は出るまでが遅い」
「捌いて炭火で焼いてっちゃ」
「だからどうしてもだ」
「時間がかかるっちゃ」
「そうだな、、だが前以て言っておいた」
「あの時に出る様にっちゃな」
愛実は英雄に問うた。
「そうっちゃな」
「そう命じておいた」
厨房の者達にそうしたというのだ。
「だからだ」
「すぐに出たっちゃな」
「やはり前以て用意しておくとな」
「早いっちゃな」
「何事もな、今日あらためて思った」
その鰻のことでというのだ。
「用意は大事だ」
「失敗もしなくてっちゃ」
「そしてすぐに動けてだ」
「出せるっちゃな」
「そうなる、だからな」
それ故にというのだ。
「やはり前以てだ」
「用意っちゃな」
「それが大事だ、そして」
英雄はさらに言った。
「すぐに食えてだ」
「満足してっちゃな」
「政もはじめられる」
「そうっちゃな」
「それでだが」
「これからっちゃな」
「政に戻る」
そうするというのだ。
「いいな」
「わかったちゃよ」
愛実は応えてだ、そして早速こう言った。
「では下総っちゃが」
「あの国か」
「あの国の水田っちゃが」
「今開墾を進めているな」
「人手が足りない様っちゃ」
「そうか、ならだ」
英雄はそう聞いて言った。
「開墾した土地を与える」
「そうしてっちゃか」
「民を応募する」
開墾する彼等をというのだ。
「そうする」
「そうするっちゃな」
「あの国もな、兎角だ」
「政は豊かにして一つにする」
「この関東ではそれがいいと思うからな」
それ故にというのだ。
「ここはだ」
「そうしていくっちゃな」
「これからもな」
こう言ってだった。
英雄は下総も豊かにしていった、現場にも出向いて状況も見た。そこで英雄は共にいる仲間達を見て留美に問うた。
「牛も多いな」
「農業に使う牛っちゃな」
「しかもどの牛もだ」
お忍びで見るその中での言葉だ。
「非常に大きくだ」
「太っているっちゃ」
「毛並みもいい」
「人もっちゃが」
「牛達もそうであって」
英雄は番をしている犬達も見て話した。
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