内助の功
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第四章
自分達の足下にいる愛犬を見て微笑んで話した。
「ダルにね」
「協力してもらってるな」
「ダルの姿を毎日あげて」
彼が遊んだりじゃれついたり寝たりしているそれをだ。
「そうしてね」
「そうしてか」
「広告料もね」
「手に入れてるんだな」
「毎日あげていてツイッターやラインで宣伝して」
そうしたことも行ってというのだ。
「やっていっているから」
「お金も稼いでいるな」
「あと在宅ワークもしてるから」
「お金はあるか」
「節約して稼いでいったら」
そうしたらというのだ。
「やっぱりお金は貯まるわ」
「水道代や電気代も気をつけているしな」
「無駄なお水は出さない様にしてね、電気もね」
「灯りはすぐに消してるな」
「誰もいないお部屋はね、ヒーターとかも」
勿論クーラーもだ。
「出来るだけ服や窓の開閉で気温や湿度を調整して」
「服もバーゲンだな」
「そうして節約していったら」
そちらでもというのだ。
「やっぱりね」
「お金は貯まってか」
「こうしてよ。確かにローンだけれど」
このことは亜飛夢の同僚達の予想通りだった。
「マイホームもね」
「手に入れられたな」
「ええ、だからこれからも頑張っていけば」
「お金は貯まっていくか」
「何でも節約していってコツコツでも稼いでいったら」
そうしたらというのだ。
「いいの、それで間違ってもギャンブルとかしない」
「二人共しなくてよかったな」
「ええ、じゃあこれからも私頑張るわね」
「頼むな、しかし俺は凄い奥さんと結婚したな」
亜飛夢は妻と一緒に野菜も魚もバランスよくある夕食を食べながらしみじみとした口調で言葉を出した。
「お陰でこうして暮らせるよ」
「全部お母さんとお祖母ちゃんに教えてもらったのよ」
「節約とコツコツ稼ぐことはか」
「そうなの、それが一番ね」
「お金が貯まってか」
「大切なものに使えるの」
「そういうことだな」
夫は妻の言葉に頷いた、そうしてだった。
彼は食事を楽しんだ、その後で何日か入れていて温めなおして利用している湯舟にも入った。その適切な節約人生の中で。
亜飛夢は幸せに過ごしていった、だが同僚達は言うのだった。
「結婚していることはわかったけれどな」
「あんな地味な奥さんでもいいんだな」
「本当に目立たない人だけれどな」
「そうした奥さんでもいいんだな」
その奥さんが最高なんだ、彼は心の中で言って働き続けた。清潔な家で栄養バランスの取れた食事を摂っている彼は仕事も好調だった。
内助の功 完
2021・1・13
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