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内助の功

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第二章

「俺は」
「いや、聞いたかも知れないけれどな」
「覚えてなかったか?」
「何かお前って一人の感じが強いからな」
「女っ気がないっていうかな」
「そんな感じでな」
「中学の時の一年後輩でだ」
 亜飛夢は玄関から家の中に上がりながら同僚達に話した、同僚達も梨沙にお邪魔しますと言ってから家に上がる。
「それでその時からな」
「付き合ってか」
「それでか」
「今に至るんだな」
「高校も大学も一緒でな」
 それでとだ、妻の案内を受けて同僚達と共にリビングに向かいながら話した。
「それでだ」
「結婚したんだな」
「奥さんが大学卒業したら」
「一つ下で入社二年目ならな」
「そうした、そしてこうしてな」
 亜飛夢はさらに話した。
「一緒に暮らしているんだ」
「結婚して」
「それでこんな家も建てて」
「二人でか」
「まだ子供はいないけれどな」
「ワンワン」
 リビングに入るとだった。
 茶色のトイプードル、トイプードルといってもティーカップサイズで手足の短いドラーフタイプの犬が来た。その犬をだ。
 亜飛夢は抱き上げると同僚達に話した。
「女房がずっと飼っているんだ」
「へえ、ずっとか」
「というと結婚前からか」
「男の子でダルっていうんだ」
 自分によく懐いている感じの犬を抱き上げたまま話した。
「日本ハムファンでな」
「ああ、ダルビッシュか」
「あのピッチャーか」
「今メジャーにいる」
「あの名前にしたんだ、俺も日本ハムファンだしな」 
 亜飛夢は自分のことも話した。
「いい名前だと思ってるよ」
「日本ハムファンだとそうだな」
「ダルビッシュは印象深いしな」
「それでその名前を付けてか」
「可愛がっているんだな」
「そうだよ、じゃあ今から女房が作ってくれた料理と用意してくれた酒があるから」
 それでとだ、亜飛夢はさらに話した。
「一緒にな」
「ああ、食ってな」
「そして飲むか」
「そうするか」 
 同僚達も応えた、そしてだった。
 亜飛夢と梨沙の接待を受けてだ、彼等は様々なオードブルやつまみとワインやビールを楽しんだ。そのオードブルやつまみの味もよく。
 彼等はかなり食べて飲んで楽しい時間を過ごした、料理はどれも美味しく値段は安そうなものばかりだった。
 そして梨沙の話も聞いたが差し障りのないものだった。誰もが彼女に悪い印象を受けなかったがそれでもだった。
 二人の家を彼等に別れの挨拶を告げてから出てからそれぞれ話した。
「悪い奥さんでないにしても」
「まあしっかりした感じだな」
「ああ、けれどな」
「それでもだよな」
 どうにもという顔で言うのだった。
「取り立てていいとかな」
「顔も普通か?」
「凄い地味な感じはするな」
「目立たなさそうだな」
「実際服装もそうだし」
「話すこともな」
 これといってというのだ。 
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