慎重な対応
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第二章
「だからだ」
「本当に今のうちにですね」
「手を打たないといけない」
適切な対応を取らないといけないというのだ。
「こうしたことはな」
「迅速にしないといけないですよね」
奥保も言ってきた。
「本当に」
「その通りだ」
「では」
「私から重役の人達に言う」
河野は奥保に約束した。
「そしてだ」
「今のうちにですね」
「手を打ってもらってな」
そうしてというのだ。
「問題が悪くなって手遅れにならないうちにな」
「適切な処理をして」
「問題を終わらせよう」
「それでは」
奥保は河野の言葉に期待している声で応えた、彼も池上もこれで問題は解決するものと思った。それは河野もだった。
だが数日後河野は二人を居酒屋に呼んで深刻な顔で話した。
「君達が話したことだが」
「重役の方々は」
「全くだ」
これといってというのだ。
「動いてくれない、慎重に対応を検討すると言ってだ」
「そうしてですか」
「そしてだ」
それでというのだ。
「どうもこれはな」
「対応は、ですか」
「取りそうもないな」
「そうですか」
「だからな」
それでというのだ。
「私はまた言うが」
「それでもですか」
「重役の人達がこのまま動かないとな」
「よくないですね」
「本当に今のうちに何とかしないとな」
河野は奥保に難しい顔で述べた。
「よくない」
「はい、この数日の間にもです」
池上も河野に話した。
「そうした意見がです」
「増えているか」
「少しですが」
「本当に今だな」
「何とかしないと」
「もっとクレームが増えてな」
「それは大きな騒ぎになって」
そうしてというのだ。
「手遅れになります」
「そうすれば会社も傾くな、いや」
河野は深刻な顔のままこうも言った。
「最悪な」
「倒産もですね」
「あるな」
「そうですね」
「今うちは好調だが」
それでもというのだ。
「こうしたことはな」
「放っておいたら」
「本当にまずいですね」
「だからな」
それ故にというのだ。
「すぐに何とかしないといけないが」
「重役の人達は、ですか」
「慎重な対応ですか」
「それを検討すると言われるだけで」
それでというのだ。
「まだ動いていない」
「そろそろ表に出てきますよ」
奥保は河野に怪訝な顔で言った。
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