| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

イベリス

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第三話 少しずつでもその二

「そのことはね」
「そういうことでね」
「それじゃあね」
「それとメイクのことはね」 
 愛はこちらに話を戻してきた。
「後は数をこなしたらね」
「いいのね」
「メイクも経験だから」
 それでというのだ。
「やっていってね」
「わかったわ、それじゃあね」 
 咲も頷いて応えた。
「そうしていくわ」
「そういうことでね、あと下着はいいものをね」
 そうしたものをというのだ。
「色は白でも」
「愛ちゃんもで」
「白でももうこれはっていう恰好いいものをね」
 それをというのだ。
「着けておくことよ」
「見えなくてもなのね」
「見えないところも大事なのよ」
 愛は真面目に答えた。
「脱いでも凄いって心の中にあるだけ違うから」
「だからなの」
「それで下着もよ」
 これもというのだ。
「いいものをね」
「着けるのね」
「そうしたらいいのよ」
「それでも違うのね」
「そうよ、だからね」 
 それでというのだ。
「咲ちゃんもこれからはね」
「下着もそうしていくのね」
「ええ、あとね」
「あと?」
「笑顔を忘れないことよ」
「笑顔なの」
「難しいけれどどんな時でもね」
 こう咲に言うのだった。
「笑顔でいることよ」
「困った時でもなの」
「そう、そんな時でもね」
「笑顔でいることなのね」
「笑顔の方がいいから」
「そうなの」
「顔もそうだし雰囲気もね」
 それもというのだ。
「痩せ我慢でもいいから」
「笑っていることね」
「悪意ある笑いは駄目でもね」
「ああ、よくあるわね」
「悪いことをする人の笑いってあるでしょ」
「歪んでるわね」
「歪んだ笑顔はね」
 これはというのだ。
「駄目よ」
「それはよね」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「悪意がある笑顔はね」
「出さないことね」
「そんな笑顔誰も好きじゃないから」
 悪意ある笑顔はというのだ。
「咲ちゃんもそんな笑顔知ってるから言うのよね」
「ええ、正直見ていても嫌よ」
「その人の心の醜さが出てね」
「凄く嫌なものになってるわね」
「政治家でもそんな笑顔見せる人いるでしょ」
「野党の女の人ね」 
 咲もすぐにわかった。
「ネットで標葉悪いわね」
「どうして評判悪いかっていうとね」
「その笑顔のせいでもあるわね」
「性格がね」
 まさにというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧