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八条学園騒動記

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第六百十一話 普通の人が悪人になってその四

「すぐに読めるし」
「手頃よね」
「そう思うとね」
「本当にいい作品ね」
 二人も言った、そして。
 レミは考える顔で紅茶を飲みつつ言った。
「すぐに読めて色々学べるなんてね」
「いいわよね」
 ルビーはレミのその言葉に応えた。
「とても」
「ええ、凄くね」
「哲学書読むよりもね」
「シェークスピアの方がいいかもね」
「私哲学書は駄目なのよ」
 ルビーは自分のことも話した。
「これがね」
「そうなの」
「ええ、どうしてもね」 
 哲学書はというのだ。
「駄目なのよ」
「そうだったの」
「ちょっと読むと」
 それでというのだ。
「何か離れたくなるのよ」
「拒否反応出るのね」
「小説は読めてもね」
 それでもというのだ。
「ほら、サルトルとかね」
「ああ、まさに哲学書ね」
「あとカントとかね。前ちょっと図書館で読んだら」
 学園のそこでというのだ。
「二行か三行でよ」
「駄目になったの」
「実際にね」
「そうなのね」
「けれど小説なら読めて」
 レミにさらに話した。
「シェークスピアもね」
「読めるのね」
「読めて」
 そしてというのだ。
「わかるわ」
「ルビーはそうなのね」
「というか純文学っていっても」 
 ここでだ、ルビーはこうも言った。
「堅苦しく思わないで読んだらいいわよね」
「そうよね、それはね」
 ダイアナはルビーのその言葉に同意して頷いた。
「言われてみるとね」
「そうよね」
「元々作家さんだって面白いの書くのが目的だし」
「小説はね」
「哲学書は自分の思ったものを書く」
「物語じゃなくてね」
「物語を読むのは楽しむ為だから」
 それでというのだ。
「もう堅苦しくならずに」
「読めばいいわよね」
「さっき名前が出たデュマも」
 フランスのこの文豪もというのだ。
「娯楽小説だったしね」
「三銃士もモンテ=クリスト伯も」
「手に汗握るね」
「娯楽作品よね」
「アクションあり友情あり恋愛ありの」
 まさにそうした娯楽要素に満ちたというのだ。
「そうした小説でしょ」
「そうよね」
「戦争と平和も」
 トルストイのこの作品もというのだ。
「歴史とね」
「人間を描いた」
「その物語でしょ」
 こう言ったのだった。
「やっぱり」
「それでシェークスピアも」
 レミはここで話を戻した。 
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