八条学園騒動記
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第六百十話 考えてみれば不思議その十一
「つくづく」
「ええ、マクベスが表題役でね」
ルビーはこのことから話した。
「主人公でね」
「その主人公が死んでね」
「それで終わりか」
「何でマクベスがそうなったか」
「そうしたことも観てきたから」
「どうしても」
それでというのだ。
「思うわね」
「本当にね」
「そこは」
「暴君かっていうと」
レミも言った。
「確かに行いはそうでも」
「それでもね」
「どうしてそうなったか」
ルビーもダイアナも言うことだった。
「それがね」
「大事よね」
「だからこの結末はね」
「どうかなってなるわよね」
「暴君が倒されて万歳って」
「それでいいのかってね」
「それね、そこが引っ掛かって」
レミはまた言った。
「大団円にはね」
「ちょっと思えないわよね」
「どうしてもね」
三人でその大団円を観て話した、そしてだった。
ルビーは二人にこう言った。
「まだお店の私達の時間までお茶あるし」
「舞台もね」
「まだだしね」
「お茶しない?」
こう提案した。
「これから」
「いいわね、じゃあね」
「場所変えてお話しましょう」
三人で頷き合ってだった。
そうして舞台のカーテンコールを観終わってからその場を後にした、そうしてそのうえで今度は喫茶店に入った。
考えてみれば不思議 完
2021・3・2
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