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八条学園騒動記

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第六百十話 考えてみれば不思議その九

「オセローやリア王はそうなるのよね」
「結構イライラするわよね」
「途中は」
「もう何で信じないのか」
「そう思うわね」
「けれど死ぬ時は」
 オセローやリア王がというのだ。
「同情するわね」
「自業自得でもね」
「全部失って、だしね」
「自分も同じ立場ならと思って」
「どうしてもね」
「そうなるのよね」 
 ルビーもレミも考える顔で述べた。
「ヤーゴみたいなのに唆されたら」
「リア王みたいな立場になったら」
「もうね」
「どうなるか」
「それね」
 ダイアナも真剣な顔で応えた。
「自分もオセローやリア王みたいにならないってね」
「言えないわよね」
「どうしてもね」
「同じ立場ならね」
「果たしてどうなるか」
「腹が立つけど嗤えないのよ」
 オセローもリア王もというのだ。
「どうしても」
「そうそう、それはね」
 レミは眉を曇らせて応えた、舞台は今まさにマクベスが死ぬ場面に入ろうとしていた。帝王切開のことを言われていた。
 そのマクベスを観つつだ、レミはダイアナに言った。
「マクベスもね」
「奥さんに唆されてね」
「それで沢山人を殺して」
「権力の座に就いて」
「最後死ぬけれど」
 そうした結末だが、というのだ。
「嗤えるか」
「それは無理よね」
「だってね」  
 レミはさらに言った。
「人間誰だってね」
「こうなる可能性あるから」
「もうならないとは」
「断言出来ないわね」
「そうよね、こうはなるまいっていうよりも」
 ルビーも言った。
「こうなるかもってね」
「思うわよね」
 レミはルビーにも言葉を返した。
「シェークスピアの作品って」
「人間の弱さからね」
「それで奈落の底に落ちていって」
「破滅するってね」
「ハムレットとかロミオとジュリエットよりも」
 こうした若い登場人物達が主人公達である作品よりもというのだ、シェークスピアの作品と言っても多いのだ。
「おじさんが主人公だとね」
「そんな風よね」
「欲や嫉妬に捉われたり」
「周りが見えなくなって」
「それで破滅していく」
「自分の愚かさとかが原因で」
「いや、私だってね」 
 ダイアナは今死んだ、急に力を失ってそうなったマクベスを見て述べた。
「マクベスみたいな立場だと」
「権力を求めて」
「奥さんの言うことも聞いて」
 悪への誘惑、それをとだ。レミに話した。 
 

 
後書き

 
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