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おぢばにおかえり

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第六十三話 お家に帰ってその二十五

「この町に住んでね」
「奈良からですね」
「よかったらね」
「そうさせてもらいますね」
 私に笑顔で応えてくれました。
「是非共」
「それじゃあね、あと先輩とのお話はね」
「手配してくれるんですね」
「阿波野君当分ここにいるのよね」
「教会にも毎日でも」
 来てくれるというのです。
「そうさせてもらいます」
「それじゃあね」
「丁度いいですか」
「ええ、だからね」 
 それでと阿波野君に応えました。
「こちらでやらせてもらうわ」
「教会であの人とお話しますか」
「そうなるわ、あと絶対にね」
「嫌わないことですね」
「よくわかったから」
 私もです。
「阿波野君は本当に嫌いな相手には床るだから」
「顔に出てですね」
「態度にも出るから」
 それもあからさまにです。
「というか嫌いな相手全力で嫌うから」
「そうした人間ですからね」
 自分でも言います。
「だからですね」
「そう、だからね」
 それで、です。
「先輩をまだ嫌いなのはわかるから」
「絶対にですね」」
「最初から態度に出さないで」
「出したらどうしますか?」
「はったおすわよ」
 本気で言いました。
「いいわね」
「はったおすですか」
「そうよ、妹達にもしたことないですけれど」
 怒る時手をあげたことはないです、そうしたことをしても何にもならない、恐怖を与えるだけだと考えているからです。 
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