イベリス
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第二話 はざかいの時その五
「内面は腐りきっているから、もう目に出るから」
「それお姉ちゃんも言ってたわ」
「そうなのね、あの娘若いけれどわかってるわね」
「お母さんが見てもよね」
「派手だけれどね、やっぱり賢い娘ね」
「愛お姉ちゃんはね」
「あらためて思ったわ、命を何とも思ってないなんて」
また娘に言うのだった。
「それだけで人間として、でしょ」
「ペットを山奥に捨てたり保健所に連れて行ったり」
「今だと飼えなくなったりしたら里親に出せるでしょ」
「ネットとか使ってね」
「そうしたボランティアだってあるし」
「そうよね」
「そうしたのを使わなくてね」
それでというのだ。
「もう鳴き声が五月蠅い、朝から晩まで鳴くから」
「保健所になのね」
「捨てたってインスタで平気で書いたのよ」
「それ皆怒ったわよね」
「返事でワンちゃん最近インスタで観ないけれどどうしたのって質問あったら」
「そう答えたの」
「それまでずっとお洒落させたりしてインスタに出してたのが」
それがというのだ。
「急に出なくなったから聞いた人いたら」
「そう答えてなの」
「もうふざけるなとか命何と思ってるんだとか娘って言ってた相手にそんなことするのかって」
「普通にそうなるわね」
母も納得することだった。
「お母さんだって怒るわよ」
「私だって怒ってワンちゃん可哀想って書いたわ」
「咲もなのね」
「他には犬はおもちゃじゃないって書いた人もあったし某巨大掲示板でも晒されてね」
「徹底的に荒れたのね」
「それでインスタ閉鎖したのよ、その人」
「自業自得ね」
「それからどうなったか知らないけれど。娘さん生まれたから子育てに鳴かれると支障が出るとか」
咲も話していて怒っていた。
「朝から晩までって」
「ワンちゃんが鳴くのも理由があるでしょ」
「それは私だってわかってるわよ」
丁度ケージにいる愛犬を見て言った、茶色の毛専門的にはアプリコットと呼ばれる毛色でティーカップサイズで脚が短いドワーフタイプのトイプードルだ。黒い目が大きく頭には女の子なのでピンクのリボンがある。
「モコだってね」
「鳴くにはね」
「理由があるのよ。性格が変わったとか言ってるけれど」
「性格変わったら娘って言ってた娘捨てたのね」
「子供生まれてね」
「つくづく最低な人ね」
「どうも捨てられた娘は保護されて」
そしてというのだ。
「新しい飼い主に育てられているらしいけれど」
「それはよかったけれどね」
「飼い主の人は新しい飼い主見付かったからよかったじゃないってね」
「反省してないのね」
「どう見てもね」
「子供生まれてすぐにそれまで可愛がっていた子捨てる人は」
母は娘に忠告する様に言った。
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