レーヴァティン
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第二百話 真の掌握その三
「恐ろしい虫だ、しかし」
「それでもですね」
「その虫がいない」
「だからですか」
「それをよいこととして」
「開墾を推し進める」
この国のそれをというのだ。
「川の治水を進めているしな」
「堤を築かせていますね」
「それと共にですね」
「開墾も推し進め」
「多くの水田をもうけ」
「民に米を食わせますね」
「麦よりも米だ」
英雄は言い切った。
「まさにな」
「左様ですね」
「麦より米の方が多く採れます」
「それも何倍も」
「十分な水があれば米です」
「やはり米を作るべきです」
「あの国でも様々な作物を作らせてだ」
このことは他の国これまでの幕府の政と同じだ。
「そして葡萄もな」
「植えさせますね」
「そしてそれを売らせますか」
「葡萄についても」
「そうさせますか」
「食わせそして菓子にも使わせて」
そしてというのだ。
「酒も造らせるしな」
「葡萄酒ですね」
「あれは実に美味いです」
「その酒も造らせて」
「そうしてですね」
「豊かになってもらう」
甲斐の民もというのだ。
「民が豊かであることに越したことはない」
「国にとっても」
「その豊かさがそのまま税になり」
「それが入るので」
「それで、ですね」
「出来る限り多くの民を貧しさから救い」
そうしてというのだ。
「そこからな」
「豊かになってもらい」
「銭を動かしてもらい」
「商いを盛んにし」
「そして税も収めてもらう」
「そして幕府もですね」
「豊かになる、だから民をな」
まさにというのだ。
「豊かにしていく」
「幕府の政として」
「そうしていきますね」
「ではですね」
「薩摩と大隅もそうして」
「甲斐もですね」
「是非な」
こう言ってであった。
英雄は大坂にいる時は幕府全体の政を推し進めていった、関東に力を入れていてもこちらも忘れていなかった。
そして夜は大奥に入り女達と楽しんだ、彼は何人もの女達を自分の床に入れて楽しみつつ彼女達に言った。
「夜はこうしてだ」
「私達にお情けをかけて下さいますね」
「そうしてくれますね」
「そうだ、夜はその時だ」
こう言うのだった。
「だからだ」
「そうですね。ではです」
「お願いします」
「私達を抱いて下さい」
「今宵も」
「ではな。酒に女」
この二つも話に出した。
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