フォース・オブ・イマジナリー
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Turn:39 伝えたいもの
前書き
スペシャルマッチの開催により現実味を帯びてきたルカたちとの再戦
仲間たちの協力を得ながら準備を進めるヤイバたち
そしてその日は訪れた
Gクエスト開催を記念したスペシャルマッチの開催にファイターたちは盛り上がっていた
「でも、そう都合よく出てくるかな?」
この大会でチームリノベーションとの再戦を果たせればと話していたヤイバたち
だがチームリノベーションがこの大会に出場してくる保証はない
「俺たちは出来ることをしていくだけだ、そうだろう、ヤイバ」
「ああ」
Turn:39 伝えたいもの
ミライがデッキを3つ並べて3人に見せる
「チームリノベーションのメンバーが使ってるデッキは多分こんな感じだと思う、地区大会や全国大会の中継、実際ファイトした君たちの話を総合した予測だけど」
そういって神託の女王 ヒミコが置かれたジェネシスを手に取るミライ
「まずジェネシスだけど、キーになるのはやっぱり神託の女王 ヒミコ、クリティカルトリガーを前列のユニットにメインフェイズで与えられるこの効果はかなりプレッシャーになる」
「メインフェイズに発動するスキルだから、退却による対処も難しいな、多少強引に並べてもイマジナリー・ギフトやトリガー効果で補うことが出来る」
「それじゃあ、ヒカルちゃんの相手はトリガーの乗った攻撃を確実にガードできる私になるね」
ヒトミがそのジェネシスを手に取るとシュンもヤイバも目を丸くする
「あ、ああ、その通りだが」
「ヒトミが自分から名乗りを上げるって珍しいな」
「だって私も力になりたいから」
「うんうん、青春してるね、で、残りの2つ、どっちも基本戦術はバインドでこっちの戦力を削ってくるわけだけど………」
「俺が荒木ケンタとやる、どんな結果になろうと………後悔しないために」
シュンの言葉にヤイバとヒトミも笑って頷く
「決まりだね」
ミライから借りたジェネシスのデッキを広げてどう戦うか考えるヒトミ
「こっちのユニットのスキルと、こっちでああなって………やっぱりヒミコの能力を避けるのは無理かなぁ、これとかこれとかを見ると2回来ることも考えないと」
ヤイバとのファイトでも活躍していたシタテルヒメのカードを手に取るヒトミ
「お姉ちゃん」
「あ、アリサ」
一人考え込むヒトミにアリサが声をかける
「それ貸して」
「それって?」
アリサが手を伸ばす理由がわからず首を傾げるヒトミだったが
「こーれ、一人で考えててもしょうがないでしょ」
そういってアリサはヒトミがもっていたシタテルヒメのカードを手に取った
「アリサがそれ使うの?ちゃんと使える?」
「頑張るもん」
ヒトミの問いかけにむくれながら答えるアリサ
「ふふっ、じゃあ手伝ってもらおうかな」
自身のデッキを取り出し楽しそうに笑うヒトミ
「お姉ちゃん変わったね」
「うん、ヴァンガードのおかげかな」
「それと………ヤイバさんのおかげでもあるんだよね」
アリサの耳打ちに顔を真っ赤にするヤイバ
「なっ!アリサ!」
「ふふっ、気づかないと思ってた?バレバレだよお姉ちゃん」
「もぉ………ヤイバ君とルカちゃんも、こんなふうに笑って話せるようになるといいのに」
まだ顔を赤くしながらもデッキをシャッフルしてファイトの準備を始めるヒトミ
妹と話しながらファイトする楽しい時間
こんな時間を彼らも過ごせたら
思案しながらシャッフルを続けているとテーブルの上にファーストヴァンガードが置かれていないことに気づく
「ああっ!ロゼンジも混ぜちゃった!?」
同じ頃シュンはカムイの元を訪れてた
「どうする?俺なるかみ使うか?」
「自分のデッキでいいですよ、ただ話を聞きたいだけなんで」
「あー、櫂のことだろ」
地区大会でシュンは勝ち進むことを優先しようとした
しかも言い出した自分は負けてしまい不甲斐ない結果に終わってしまう
「もう後悔はしない………だからこそ、ルカとヤイバでファイトすべきだと思うんです」
「そっか………で、それと俺に話聞きに来たことと何の関係があるんだ?」
「俺はただ憧れるばかりで、櫂さんのことを何も知らないことに気づきまして………やっぱり櫂さんもチームのために色々」
「あー、あいつはなぁ、どっちかっていうとルカの方に近い」
「えっ?」
困ったように頭を掻いたカムイの言葉に目を丸くするシュン
「まあ、そんなアイツだけど、一緒にファイトしていくうちに、変わってったんだ、仲間として、メイトとして俺たちを導いてくれた、まあお兄さんにとっちゃずいぶん前からそうだったんだけど」
そういって店の方に戻っていったカムイ
「えっと………どこやったっけな、あー、そうそう、今ヤイバが持ってるアイチお兄さんのブラスター・ブレードあるだろ」
「はい」
何かを探しながらシュンに問いかけるカムイ
「あれな、元々櫂がお兄さんにやったカードなんだ、ずっと辛くて、ひとりぼっちだったお兄さんを励ましてくれた、そんで、そっからずっと導いてくれた、ああ、あったあった」
探し当てたカードを手に戻ってきたカムイはそれをシュンに差し出した
「ほら、こいつをやるよ、同じチームの仲間、メイトとして、力になってやれよ」
「あっ!このカードは!」
そしてドラゴンエンパイア支部で行われるスペシャルマッチの予選会
参加チームを二組に分けて各ブロックで優勝した2チームが後日行われるスペシャルマッチへと出場することが出来る
「俺たちはBブロックか」
見知ったチームの名前は見当たらないが………
「あなた達も来たのね」
そういって声をかけたのはチームホーリーブレインだった
「ナズナ、今度はお互い本気でファイトしようぜ」
そういって手を伸ばしたヤイバ
ナズナは彼の表情を伺った後その手を握った
「ファイト出来ることを祈ってます」
「ああ!」
「と言っても、同じブロックにホーリーブレインの名前はない、ということは対戦できるのはスペシャルマッチ本番か」
「ええ、対戦できるのを楽しみにしてるわ」
「それじゃあシュン、お互い頑張りましょうね」
挨拶を交わし去っていく彼女たちを見送る中、ヒトミはシュンをじっと見る
「ツムギさん、シュン君のこと名指しだったね」
「なっ、俺のことはどうでもいいだろう、それよりヤイバ、来ているぞ」
赤くなりながら話題をそらすシュン
彼の示す先にはルカたちチームリノベーションの姿が
遠目だったので向こうはこっちに気づいた様子がない………
いや、正確にはヒカルだけが気づきこちらに軽く会釈をした
「ヴァラーギフトとリノベーションは別ブロックか、別に構わないけどこういうことは」
マモルの問いかけにチカゲは勢い良く手を振った
どうやら彼女は何もしていない模様
「え?なにもしていないのかい?じゃあ、運命のいたずらってやつかな」
マモルの開会宣言と共に始まった予選会
ヤイバたちは順調に勝ち上がっていく
「ペンタゴナル・メイガスのスキル発動」
「ドラゴニック・オーバーロードをスタンド!」
「アークセイバー・ドラゴンでアタック!」
ブラスター・ブレードが剣を振り下ろすとともに相手に6枚目のダメージが置かれる
「勝者!チームヴァラーギフト!」
「っしゃあ!予選会突破!」
見事予選会を勝ち上がったヤイバたち
「ヤイバ君!あれ!」
ヒトミの示す先ではルカとナズナがファイトしていた
向こうもすでに最終戦のようだ
「っ!」
ZANGEKIがシュバルツシルト・ドラゴンの放った攻撃に飲み込まれる
「勝者!チームリノベーション!」
「これでスペシャルマッチの相手はチームリノベーションに決まったか」
チームリノベーションとの対戦が決まる中ヤイバはナズナの方を気にしていた
ドラエン支部の休憩スペースでデッキを眺めていたナズナ
「残念だったな」
そんな彼女の隣に座って声をかけるヤイバ
「どうする?今からやるか?」
「いえ、本番に取っておきますよ………スペシャルマッチ後のGクエスト、私たちのファイトはそこで」
そういってデッキを構えるナズナ
「良かった、落ち込んでるわけじゃなさそうだな」
「あなたとは違いますから」
「ははっ、違いない」
「ふふっ」
休憩スペースで笑い合う二人
そんな二人を仲間たちが見ていた
「シュンは私のこと慰めてくれないの?」
「お前も落ち込むような奴ではないだろ………うぉっ!?」
シュンとツムギが話しているとふと横を見たシュンが嫉妬の感情をむき出しにしているヒトミに驚いた
「やっぱり一番の強敵はあの子………」
「お前は何の話をしているんだ?」
「まあまあ落ち着いて」
シュンがドン引きしている横でヨシノがヒトミを宥めていた
後書き
次回予告
「とうとう直接対決か」
「ナズナたちのためにもいいファイトにしなきゃだな」
turn:40 ヒトミVSヒカル
「そうだね、いろんな人に協力してもらったんだし」
「ああ、アリサとかも頑張ってくれてたな」
「し、知ってたの!?」
「なんでお前が赤くなる」
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