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ドリトル先生と不思議な蛸

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第十幕その三

「見付けやすい外見でしかも触ったりしないとです」
「あちらから攻撃はしてこないですね」
「はい、むしろ人が近寄りますと」
「逃げますか」
「まずは、ですからそうしたことを知って」
「気をつければいいですか」
「そうです」 
 先生は知事さんにお話しました。
「安心して下さい」
「そうですか」
「ですから駆除はです」
「しないことですね」
「そうです、そもそも目にすること自体が稀なので」
「目撃例が多くて話題になるなら」
 それ位ならとです、知事さんも言いました。
「どれだけ少ないかですね」
「わかりますね」
「はい、蝮を見ても」
 それでもというのです。
「報告とかはです」
「出ないですね」
「山に行けば普通にいますから」
「山の近くにもですね」
「出てきます」
「ですがヒョウモンダコは」
「見つけたら騒ぎになる」
 知事さんは言いました。
「そこまで数が少ないのですね」
「ええ、ですから」
「駆除もですね」
「必要ありません」 
 先生のお話ははっきりしたままでした。
「ですから駆除はです」
「しないことですね」
「逆に躍起になって探して駆除しますと」
「個体数が少ないので」
「絶滅もです」
 これもというのです。
「危惧されるので」
「絶対にしてはいけないですね」
「そうです」
 先生の言葉は変わりませんでした。
「そのことは覚えておいて下さい」
「それでは」
 知事さんも頷きました。
「その様にです」
「県としてですね」
「していきます」
「そうしてくれると有り難いです」 
 先生にしてもです。
「毒があるから危険というのは人間から見たことで」
「それで、ですね」
「はい」
 まさにというのです。
「生きものにとってみればです」
「毒があることは当然のことですね」
「そうです」
 まさにというのです。
「必要があって持っているので」
「それを悪とか思うことはですね」
「よくありません」
「そういうことですね」
「僕が思いますに」
「三重県は自然も豊かです」 
 知事さんはこうも言いました。
「そしてその自然を守ることは」
「義務ですね」
「はい、私達の」 
「そうお考えでしたら」
「ヒョウモンダコもですね」
「そうさせて頂きます」
 知事さんは明朗な返事で答えてくれました、そしてでした。
 県としてヒョウモンダコを駆除しないでどういった生きものか皆に知らせて迂闊に近寄らないことで対処することになりました、このお話の後で。
 先生は伊勢まで県庁の人に送ってもらいました、その後ででした。
 先生は三時になるとでした。
 皆と一緒にティータイムの時間を採りました、今日の紅茶はロイヤルミルクティーでセットはといいますと。 
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