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レーヴァティン

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第百九十八話 下野と常陸その十

「拉致にしてもだ」
「拉致があるとわかっていて否定していてですね」
「解決を妨害していたならな」
「それも悪事ですね」
「紛れもなくな」
 そう言っていいというのだ。
「許してはならないな」
「だからこの世界では」
「そうした悪事は許さない」
「そういうことですね」
「許せばだ」
 それこそというのだ。
「悪人が幅を利かせてだ」
「世を乱しますね」
「事実我が国は長い間連中が世を乱してきた」
 左翼マスコミや左翼政党がだ、帰国事業や拉致だけでなくこの連中は実に多くのことを為して世論をミスリードさせ偏向報道や捏造報道で人を惑わせてきた。
「まるで中世の欧州のバチカンの様にな」
「その腐敗はその域でしたね」
 良太も暗い顔で述べた。
「戦後日本のマスコミや知識人の腐敗は」
「まさにバチカンの様にな」
「腐敗していました」
「情報を独占すると自然に権力を独占する」
 それだけ情報が武器ということだ。
「知るということによってな」
「そしてそこにお金も集まります」
「権力に加えてな」
「尚更強い力を持ちますね」
「絶対的な権力になりだ」
「そして絶対的な権力は腐敗する」
「やりたい放題となってな」
 そしてというのだ。
「腐っていく」
「それが中世欧州の教会であり」
「戦後日本のマスコミや知識人ですね」
「そうだ、ああした連中こそだ」
「許してはならないですね」
「戦後日本のことを思うとな」
 そのマスコミや知識人それに政治家が跳梁跋扈した国のことをというのだ。
「決してだ」
「左様ですね」
「人間は完全な清潔な世界では生きられないが」
「完全に腐った世界でも生きられないです」
 良太は言い切った。
「決して」
「ヘドロもある程度腐っているのならそこに細菌もいるがな」
「腐敗を極めますと細菌もいられません」
「そういうことだ」
「だから戦後日本の左翼マスコミや知識人、政治家の様な連中は」
「俺は罰する」
 付け届けはいいとしてもというのだ。
「賄賂になるとそうしてな」
「そしてそれ以上の腐敗もですね」
「そういうことだ、ではそうしたことも頭に入れてな」
「関東も治めていきますね」
「そうする、江戸の街も今以上にな」
 自分達が今いる城の周りもというのだ。
「栄えさせるぞ」
「わかったぜよ、しかしこの街はのう」
 当季は顎に右手を当てて右目を瞑って述べた。
「やっぱり災害への備えがぜよ」
「重要だな」
「火事、地震、洪水が問題ぜよ」
「そうだな、今以上にだ」
「街をあらためていくのう」
「そうする、この街は大坂や都に負けていない」
 そこまで栄えているというのだ。 
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