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八条学園騒動記

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第六百八話 大した問題ではないその一

                大した問題ではない
 エイミーは結末に向かう中でトムに言った。
「五時間以上かかったけれど」
「ようやくだよね」
 トムも応えた。
「終わるね」
「そうよね」
「いや、本当にね」
「これまでね」
「長かったよ」
「そうよね」
「けれどこれでね」
 まさにというのだ。
「終わって」
「それでよね」
「大団円に入るよ」
「あの、街元に戻ってるよ」
 シッドは画面を観て言った。
「一瞬で」
「あっ、確かに」
 トムも画面を観て言った。
「そうなってるね」
「あんなに破壊されていたのに」
「もう無茶苦茶にね」
「それがね」
「元通りだね」
「あの破壊は何だったのかな」
「だからもうそんなことはね」 
 弟にその街を観つつ話した。
「些細なことなんだよ」
「街が破壊されてもなんだ」
「それで沢山人が死んだと思うけれど」
 それでもというのだ。
「それもね」
「いいんだ」
「多分死んでなかったとか」
「誰も?」
「それか生き返ったか」
「いや、生き返るって」
「マウリア映画じゃあるから」
 生き返ることもというのだ。
「死んだ人がね」
「それさっき聞いたけれど」
「実際にあるから」
 それでというのだ。
「別にね」
「深く考えることないんだ」
「そうしたこともね」
「歌と踊りみたいに」
「あれもだよね」
「全然知らない人達が出て来て」
 シッドも言葉を返した。
「そしてね」
「普通にだよね」
「歌って踊るし」
「それで終わったらじゃない」
「何事もなくストーリーが再開するから」
「だからさっきの怪獣映画も」 
 これもというのだ。
「ごく普通にね」
「なるんだ」
「娯楽だから」
 これに徹しているからだというのだ。
「もうね」
「普通になんだね」
「なるから。本当にそうしたのがね」
「マウリア映画なんだね」
「楽しめる」 
 これがとだ、トムは言い切った。
「それを第一に考えてね」
「どんな要素も取り入れて」
「そしてストーリーは二の次というかね」
「どうでもいいんだ」
「そこまでのもので」
 それでというのだ。 
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