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レーヴァティン

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第百九十八話 下野と常陸その六

「ですから必ずです」
「そういったものは一つにする」
「幸い言葉は同じですし」
「それはいいな」
「そこからさらにです」
「度量衡も一つにしてな」
「道の幅や銭も」
 そういったものもというのだ。
「一つにし」
「それが確かになってだ」
「大坂に戻りますね」
「そして幕府全体の政に戻る」
 そうするというのだ。
「それからだ」
「左様ですね」
「旗揚げ前に冒険をしていて実感した」
 仲間達を集めていたその時にというのだ。
「この浮島は西と東でだ」
「別ですね」
「箱根から東はな」
「同じ浮島にあっても」
「違う、西国の方が栄えていて人も国も多いが」
 それでもというのだ。
「歴然としている」
「それほんま実感していたわ」
 耕平も言ってきた。
「西国とまるで違うってな」
「武蔵や常陸を歩いてもな」
「ほんまにな」
「そこにいると目に見えてだ」
 まさにというのだ。
「違う」
「そやな、特産品もな」
 耕平はここで茶を飲んだ、それは東国のものではなく西国のものであった。水はこちらのものであるが。
「全くちゃうし」
「俺達が今飲んでいる茶もだ」
「駿河のものはあっても」
「関東のものはない」
「そやな」
「そこも違う、だがその違いも踏まえてだ」
「治めてくな」
 英雄に言った。
「この江戸城から」
「そうする、そしてその目でだ」
「関東のあちこちもやな」
「観てだ」
 そうしたこともしてというのだ。
「行っていく」
「政はやっぱりな」
「その場所を知らないでは出来ない」
「それでやったら失敗するからな」
「だからだ」
 それがわかっているからだというのだ。
「関東でもな」
「関東のあちこちを見て回ってやな」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「やっていく」
「そうするな」
「俺達全員でな」
「それがええな、それでそれが落ち着いてから」
「大坂に戻る」
 その様にするというのだ。
「いいな」
「ほなな」
「暫くは西国のことは留守の者達に任せる」
「それで全体の政もやな」
「そうする」
 幕府全体の政もというのだ。
「そうしていく」
「ただ。時折はであります」
 ここで峰夫が言ってきた。
「大坂にもであります」
「戻るべきだな」
「移動の術を使って」
 そうしてというのだ。 
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